麻雀の予定を立てて4人が無事2週間過ごすことがこんなに難しい時代が来るとは思ってなかったはさみ屋です。あと3日、何も起こりませんように。
一時に比べるとだいぶ注文も落ち着いてきていいペースで働けております。
注文が減ってきていていいペースとか言ってる場合じゃないのかもしれませんが。
そんな中ちょっと気づいたことがあるので書きます。
年々増え続けてきたホームページからのご注文。
印象としてはほぼ9割がプロの植木屋さんからのご注文だと感じてました。植木鋏や刈込鋏、オーダーメイドのご注文もほぼこの2種類。
それがここ最近、花鋏のご注文が増えてきてます。理由は謎。
データをほじくってみました。
昨年1年間のネット通販のご注文の割合。
(定番商品のみでオーダーメイドは含みません。)
植木鋏 114丁 58%
刈込鋏 35丁 18%
花鋏 29丁 15%
包丁 17丁 9%
植木鋏と刈込鋏で76%。
ほぼ9割は言い過ぎちょったことがわかります。
(包丁も9パーセントあるがや。これはなんかうれしい。)
これが今年になっての割合は
植木鋏 9丁 23%
刈込鋏 12丁 31%
花鋏 11丁 28%
包丁 7丁 18%
ここまで書いて気付きました。
「植木屋さんからのご注文の割合が減って花鋏の割合が増えた」という内容を書こうと思って書き始めたのだけれど、割合じゃなくて単純に植木屋さんからの注文の数が減ったがや。
去年の114丁がもう半年になりゆうのに9丁やん。
植木鋏が減ったことで花鋏が増えたという錯覚。花鋏だって半分に足りてないやん!こわ!
そりゃゆったりペースで働けるよね。
なぜそうなっているのか、
どこか違う鋏屋さんがたくさん売り始めたのか、笹岡の鋏は全国の植木屋さんにもう行き渡ってしまったのか。それともコロナの影響が今頃現れてきたのか。
そこは見えてこないし、考えても仕方ないので、ショーケースがスカスカになってるアンテナショップのために頑張って包丁を作っています。
ネット通販があって全国がお客さまになる可能性があるこの時代なら「鋏」だけ作る鍛冶屋でもやっていけたかも、なんて思ったこともあったけどやっぱりいろいろ作ることって大事でした。
今日も三重県に鍬(くわ)と包丁をお送りしました。
明日は包丁とナイフを仕上げます。
作る品の多角化。
売り先の多角化。
生き延びんとね。
あっちもこっちもあってよかったー。
鋏が売れないから他の物を作ると言う発想が残念。「鍛造」の鋏を使うのはほぼ職人のはず。鋏鍛冶が少ない中で需要が減る訳がない。作り手が少ないからこそ生きていく道がある。間違う事無く時代のせいではない。本職は本物を求めている。需要が届いていない理由に向き合い、鋏に専念してはと思う。良くも悪くも「いごっそう」だけでやっていける時代は大分昔に終わっている。根拠の無い自信はそれこそ錯覚でしかない。
匿名さま
錯覚でも残念な発想でも仕事を作ってなんとか生き延びてきました。
これからも続けます。
一昨日富山の須藤鋸を作製のお願いをしました。
鋸鍛冶は現代の替刃式の刃に押され、かつての名地の会津鋸鍛冶ですら中屋伝左衛門さんのみとなってしまった世の中です。
今回の富山の鋸鍛冶屋さんはまだ若く探求心含め知り合えた事が嬉しく感じました。
富山の泊鉈の大久保さんもご高齢で鍛冶作業から退いてしまう中、笹岡さん含め50.40代の鍛冶屋さんがいて、使い手と作り手が会話出来る状況に使い手がいかにこだわり、探す努力をしないと出会いもままならない、検索能力も必要かと思われます。
笹岡さんには東京の四万十川展示会で研ぎ直しの依頼をしつつ、秋田の佐々木刃物の付け鋼の剪定鋏をみて頂きましたが、出来ないとははいわずぜひ挑戦してほしいとまだ考えています。
秋田の関刃物さんも鉈鍛冶をしつつ剪定鋏もこしらえいているようです。
自分も植木職の50代ですがお話できる鍛冶屋さんがいらしてこのように言えるのは良いです。
長島さま
コメントありがとうございます!
東京ではお世話になりました。
「使い手と作り手」こちらも直接やりとり出来ること、とても仕事に役立ってると思います。
使い手さんの探す努力以上に作り手側の見つけてもらう努力が必要ですよね。見つけてもらうことさえ出来ればまだまだ後に繋げたり今以上に発展出来たりする技術がこの国にはたくさんあるように思います。
消えてしまうのはもったいないので、がんばります!
剪定鋏、違った形で実現出来るかもしれません。またその時はご連絡します!
ありがとうございました!