刃物まつりでうれしかったことその二。
大学生くらいに見える若いカップルが紐巻きナイフに立ち止まりました。こんなやつ。
女の子の方が木工細工か竹細工に使いたいらしい。
いろいろ説明して、じっくり見てもらって、また他のお店に旅立って、あちこちの刃物屋さんをぐるっと回ってからまた戻って来てくれました。
「よし!たぶん買ってもらえるぞ、あとはどれにするかやね。」って感じになりました。
でも、なかなか決まりません。
そこで彼女の雰囲気を感じ取ります。
「形はこれがいいけれど、紐の色はあっちがかわいい。」
使い勝手をとるか、見た目をとるか。どちらを妥協してどちらを優先するか。悩んでる様子。
ふと紐のストックを持って来てることを思い出し、声を掛けます。
「もしあれやったら、紐を巻き替えようか?」
「本当ですか!?」
「うん。紐持って来ちゅうき替えれるで。」
「じゃあ、このナイフにこの緑の紐でお願いします!」
メーカーやきね。
その紐全部俺が巻いたやつやきね。
時間さえもらえたら外して巻き直すなんて簡単なことです。
自分の用途に合う形にお気に入りの色の紐が巻かれたナイフを買ってもらうことが出来ました。
うれしそうな笑顔が見れてよかったです。
可能な限りお客様のご要望に添ったものを提供する。そのために出来ることはする。
(もちろん出来ないこともあるけれど。)
これもまた作り手の喜び。
こういうのを糧にまた日常の仕事です。
ちょっと疲れた。
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