この度、東京から洋裁鋏の研ぎ直しの依頼があり昨日届きました。
その方のお祖父さんが伯母さんに76年前に買ってあげた鋏だそうです。高知の大橋通りの金物屋さんで。
この春に亡くなられたその高知の伯母さんからその鋏の話を聞いていたその方は、その鋏を伯母さんに代わって使いたいと思い東京へ持ち帰り、研ぎ直しの出来るところを探して、うちのホームページを見つけてくれたそうで、お電話を頂きました。
「たぶん直りますよー。」ってことで送ってもらって、研ぎ直して、今日また東京へとお送り致しました。
76年前に大橋通りのお店に並んでたその鋏は、その後伯母さんと一緒に、高松、静岡、神戸を巡り、高知に戻っていたのが、持ち主を亡くし、新しい持ち主さんと東京へ行き、また復活するために高知のはさみ屋へ来て、明日にはまた東京です。
壮大。
そんな内容のお手紙が同封されていたので、いつもより気合い入れて研ぎました。
道具冥利。
こんなに長い間道具として使ってもらえる。
凄すぎます。
ばっちり研ぎ直したので、またこれから何十年と活躍するはずです。
時は流れても道具は残っていきます。
そんなの作れてたらいいなあと思います。
自分がそんなに大切にしちゅう物あるろうか、って考えました。
子に受け継いでもらうほど大事に使ってるもの…。
ありました。
浪人時代に出会った『麻雀牌』と大学に入って高松で真っ先に買いに行った『麻雀マット』。
あー、まだ20年にもなってないや。
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