鍛冶屋日記

月別: 2023年2月

スマホ不対応の老眼のめんどくささとメガネの楽さにあまえて2年くらいコンタクトを入れずに過ごして来たのだけれど、もう一回かっこつけてみようと思って1dayの使い捨てコンタクトを作ったはさみ屋です。久しぶりにはっきりくっきり見えた鏡の中の自分を見て「老けた!」と思いました。

 

「甘えていた鏡の中の男に今復讐を誓う」Mr.Children『優しい歌』より

 

 

 

昨日のお客さまのお話。
男性4人グループがご来店。

「見せてください。」
「どうぞどうぞ。」

地元じゃない雰囲気をまとってたので

「ご旅行ですか?」
「仕事です。」
「どちらから?」
「埼玉の○○市から。」

遠くからありがとうございます。
鋏を重点的にご覧になってたので

「植木屋さんですか?」
(遠くからうちを目掛けて来てくれるのはだいたい植木屋さん)

「いや、植物園で働いてます。」

おー、たしかに植物園も鋏使うよね。

「昨日栗林公園を見て、これから牧野植物園に行きます。」

 

朝ドラ『らんまん』効果なのか、たまたまなのか。

 

 

どうやら一人の方が笹岡鋏製作所を知ってくれていて、高知出張の途中に寄る目的地の一つにしてくれていたようです。

 

その方が鋏をひとつ、包丁をひとつ、また別の方が鉈をひとつ買ってくれました。
はさみ屋の1日の売上としては爆売れです。

 

 

全国の植物園にも営業かけたらいくつか売れそうでね。
「研ぎ直し承ります!」の発信だけでもけっこう集まってくるに違いない。
新たな鉱脈を見つけた気分です。ヒントはいつもお客さまから。

 

 

「作るの間に合ってないがやき販路拡大の作戦考えんでいいでしょ!お待たせしてる『ふるさと納税』の包丁を早く作ってください!」っていの町さんや観光協会さんに叱られそうなので、今日はがんばって包丁を仕上げます。

 

らんまん効果で牧野植物園にお越しの植物を愛するみなさま、高知には花鋏や植木鋏を作る鍛冶屋がありますので、是非お立ち寄りください。
品薄の可能性はありますが、受注生産しますので、よろしくお願いします!

 

 

 

閉塞感しかないある組織において「みんなが望むなら革命起こすよ?どう?」って信頼する仲間に相談したら「あわてんな」ってなだめられたはさみ屋です。
背負う覚悟は出来ていたのだけれど、まだ革命は望まれてないので、また一歩ずつがんばります。ひっくりかえせば話は早いと思ったけれど、コツコツ積み上げていくのがめんどくさかっただけなのかもしれません。がんばる。

 

先週、いの町さんに誘われてまちづくりの視察研修に行ってきました。一泊二日で奈良と大阪へ。

まちづくりを実践している先進地を現地に行って見せてもらって、実際行動してる人のお話を聞かせてもらって、すごいなーと思ったり、これは無理って思ったり、うらやましいと思ったり。世界にはすごい人がいっぱいおられる。

まちづくり株式会社を立ち上げることは今の僕には出来ないけれど、今回お会いした方達から聞かせてもらったお話の要所要所に出てくる考え方や覚悟の決め方はとっても参考になりました。

 

「周辺の価値まで上げる気概」
「まちを変える『はじめの一歩』を踏み出せる存在でありたい」

 

力強いよね。こんな人がおったらそりゃ変わるよって納得させられます。

 

まぁでも、今回参加した12人が「まちを変える『はじめの一歩』を踏み出せる存在でありたい」と思うことが出来たらまちは変わるはずなので、今後のいの町にご期待ください。

 

「大阪で焼き肉食って雀荘行って遊んで来ただけじゃんか。」って言われないように、心に刻んで行動しようと思います。

(一緒に雀荘に行って今まであんまり接点のなかったメンバーと仲良くなれたことも、きっと今後に活きてくるはず。楽しかったです。)

 

 

 

前回の投稿で弱音を吐いたら

「いろいろ大変ですけどがんばっていきましょうねー!一緒に町を盛り上げていきましょうー!」

ってブログやインスタにいくつもコメントもらってうれしくて泣きそうになったはさみ屋です。

コーヒーの差し入れ持って「読みましたよ。大丈夫ですか?」ってわざわざ工場に会いに来てくれた人も。

あきらめたり投げ出したりするつもりは全くなかったのだけれど、ご心配かけました。
コメントくれたみんなのために、同じような想いをもってるみんながやりやすい状況をつくるために、次に何をすべきか、だんだん見えてきたのでまた違う作戦で戦っていこうと思います。
まずは素直に飲みに誘ってくれた後輩がいたので飲みに行くことから始めます。

 

 

 

日曜日は久しぶりのおかみさん市でした。
今年初めての販売イベント。

基本的に毎月第一日曜日の出店ですが、12月は別イベントに出て1月はお正月で休んだので久しぶりの帯屋町でした。

常連さんが研ぎ直しをいくつも持って来てくれたり、お取引先が偶然見つけてくれて「ここにも売りに来ゆうかえ。」って声をかけてくれたり、高校の同級生が「元気ー?」って会いに来てくれたり。

 

そんな中1人の男性が立ち止まって
「こんなとこにも出てきてるんですね。」って声をかけてくれて
「あ、仁淀ブルー体験博で見学させていただきました。」って。

 

あの時3000円払ってはさみ屋の仕事を見に来てくれてた方でした。

声をかけてもらえてうれしかったです。

 

 

はさみ屋の販促は僕と出会ってもらうこと。

品質や機能を長々と説明するよりも、SNSで毎日発信することよりも、自分と知り合ってもらうことが一番の購入動機になることはまあまあ実証されてきました。
(ここからリピートしてくれるかどうかは品質で判断されます。だから一生懸命作ります。)

そして「僕が作ってます。親父と二人で作ってます。」が一番伝わるブランディングよね。

 

 

体験博で仕事を見て、その職人に帯屋町でも出会って言葉を交わしたら、鋏や包丁が必要になった時、笹岡鋏製作所を思い出してくれるはず。

その日のために。
誘われたらどこでも出店しに行くし、

(昼休みに観光協会から電話もらって「来月神戸でこんなイベントあるんですけど出店どうですか?」って聞かれてイベントの内容もはっきりわからないまま、自分の予定のある無しだけ確認して「行くよー」って返事するやつなかなかおらん、という自負はあります。)

月イチのおかみさん市も続けます。
(3月は『ひなマルシェ(いの町商店街)』出店のためおかみさん市はお休み)

 

 

「今日は売上ゼロやった。」なんてよくあることで、コスパとかタイパとかの観点でいうと非効率に見えるかもしれんけど、実はこの非効率(に見えること)をやめないこと続けることが一番効率的なことを僕は知ってます。

 

 

またどこかで出会ってください。

 

 

 

日曜日ついに3ヶ月振りに重賞的中したはさみ屋です。3連単を20点100円ずつ買って2,610円。かわいい遊びです。

 

いの町のお店のキャッシュレス化を進めたくて、いの町商工会でキャッシュレスの講習会を開催しました。

いの町どこのお店に行ってもクレジット決済出来る!PayPay使えるよ!ってなったら素敵だなぁ、素敵な町になるなぁ、という思いを抱いて。

朝ドラで観光客がやってくる、感染症の制限が解けてインバウンドが押し寄せてくる。その日のために。その日の前に。

 

 

弱音を吐きます。
無理かも。そんな願いは叶わない。

商工会さんが800件案内を出して講習聞きたいと申し込んでくれた事業者さんが5件。

5人じゃわざわざ来てくれる先生に申し訳ないと、そのあと商工会の職員さんが個々に回ってくれて参加者は20人。

 

そりゃそうよね。

・うちのお客さんはお年寄りばっかりやき
・○%の手数料払ったら利益が残らん
・現金化がひと月遅れたら支払いが回らんなる

そう言ってQRコードなんて世界は必要ないと思う人は「この先あった方がいいですよ!必要になりますよ!」って講習を聞きには来てくれません。何回叫んでも届かない。

そこの感度がある人はもうキャッシュレスなんか導入済み。3年も4年も前のお話。

後から商工会さんに口説かれて参加してくれた人のほとんどはこの導入済みの方々。

僕はこの人達の時間を奪ったことになります。

すでに自ら実行して必要性を実感してることの前の前の段階の講習を聞かされるつらさ。
しかも仕事の時間を融通つけて昼間に2時間知っちゅう話を聞かされる地獄。

 

これはもう無茶苦茶反省。
本当にごめんなさい。

 

これが分断ってやつか。

今の仕事で生きていかんといかん!ってがんばる人はもうやりゆう。
YouTubeで調べたり、ニュースメディアで学んだり。掘ったらなんでもほぼ無料で出てくる時代です。
高知には土佐MBAなんて素敵な学びの場もあります。

 

実際7、8年前には「こんな講習会したいね!先生呼んでもらおう!」ってテーマがいくつかあって仲間達で実行していたのだけれど、今はテーマが全然浮かばない。
新規顧客獲得・顧客満足度・ブランディング、あの頃は楽しかったなー。

 

今、用意された講習会に出ると「いつの話しゆうがよー。実際やってみたらそんなの意味ないよー。そこにお金かけんでも充分やれるのにー。」みたいな気持ちになることが多いです。

 

自分で見つけに行って「これやってみよう」とか「やっぱりこれで間違ってないよね。」みたいなことは日々出来る。1人で出来る。

 

そんな仕事や商売に役に立つことを他のみんなにも知ってほしくてなんとか伝えたくて(何ながやろね、この気質)こんな機会を作ったのだけれど、すでにがんばりゆうみんなの邪魔した感の方が強かったです。本当に反省。

 

違う方法探さんと。
現状を変える必要のない人、変えたくない人、そこを巻き込む術が浮かびません。

 

「そこは気にせず進みたい人だけごんごん進んで行ったらみんな少しずつついてくるよ。それでいいじゃん。それが町の元気になるがやき。」って誰か言ってくれんかなぁ。
町長直々に言ってくれんかなぁ。
(町長とか商工会会長とか一番言われんセリフよね。それは理解してます。わがまま言いました。)

 

どうすればそこの人たちに寄り添えるのか。
目の前に現れてくれない人をどう説得して合意を取り付けて変えるべきところを変えていけるのか。
考えてきたけど、浮かびません。

 

かつては効力を発揮していた商店街のお店みんなで取り組む施策のような、全体を見渡して全体を浮上させるためにやれることなんて今の時代にはないような気になっております。

 

「もう無理!」って切り替えるのは得意ですが、そこが欠点でもあるので「もう無理!」とは出来る限り言わないようにしますので、誰か飲みに誘ってください。

やめないのもあきらめないのも得意なほうです。

 

分断かー。

 

 

 

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