鍛冶屋日記

月別: 2015年10月

涼太のサッカー話が続きます。

今日は準々決勝。会場は日高。
小6の時に全日で全て出し切った会場や」なんて感傷に浸りつつ、ミスチルの『fanfare』をリピートで聞いてテンション上げながら会場へ向かう。
「吹き荒れるよ 今日も見通しの悪い海原で みんな悪戦苦闘してるんだ ひとりじゃないぞ 頑張れー!」

相手はシード校。最後の時も覚悟の観戦。
「サッカーの神様、涼太に、涼太のチームにミラクルをください。」
サッカーしてないのにサッカーの神様に頼ってみたり。

試合開始。シード校相手に頑張る丸の内。フリーキックを蹴る涼太。押される、攻められる時間長い。
それでも前半「0-0」で粘る。

ハーフタイム。

ひと息ついて自分の胸が苦しいのに気づく。応援していて息がつまる。

後半開始。
フリーキックを得る。少し距離があったので涼太は蹴らず。ハーフライン辺りからのフリーキックに涼太がペナルティエリアでマークを外そうと動くのが見えた次の瞬間

「あ!飛んだ!」

ヘッドに競り勝ち、ボールがゴール方向へ力なく転がる。コロコロゴールに向かうボールに「うわー、うわー」って思ってるところに味方が詰めて先制点!

「しゃーっ!」って叫んでガッツポーズしてました。
超レアな涼太のヘディングでのアシスト。

これが後半開始5分。
ご想像通りそこからの35分が長い長い。
何度も言うけど相手はシード校です。シュートもクロスもコーナーキックもフリーキックもどんどん飛んでくる。
キーパー頑張る。DF頑張る。涼太も走る。クリアする。
「逃げ切れるかも」ってよぎった頃に相手にPKが与えられました。

監督の先生の声が響きます。
「たく(キーパーの子ね)を信じろ!こぼれ逃すな!」

また頭の中ぐるぐるです。
「あー!でも決められても同点や!けど追いつかれたらキツいにゃあ…。」

祈りました。何を祈ったのかわからないけれど祈りました。

シュートはポストに当たり最大のピンチを防ぐ!
それからもピンチの連続。長い長い「1-0」の時間。
翔悟は負傷交代。コーナーキックのピンチにベンチから仲間に声かける翔悟。
「ここ集中!やらすなよ!」

陸人も両足つって交代。後輩に背負われてベンチに帰って来た陸人が芝生に寝転んでつぶやく。
「あー、最後までやりたかったなぁ。」

みんなの思いがいっぱい見えます。泣きました。

長い長い4分のロスタイムも凌いで「1-0」勝利!

すごい。
すごい試合見ました。見せてくれました。

県体では跳ね返された壁を破ってベスト4。
そして県体でやられた高知商業との準決勝までたどり着きました。

涼太もアシストだけじゃなくいっぱい勝負したしいっぱい守ったし最後までいっぱい走った。今日は最後までフル出場。気持ち見せてくれました。
7番、めちゃくちゃカッコよかったです。

あー、疲れた。
緊張と歓喜と安堵。

次は11月3日。
「覚悟なき者は去れ あてどない流浪の旅 Nobody knows 航海の末路」

本当に楽しませてくれます、うちの息子。
また仕事サボって応援です!

刃物まつり、よく売れました。おそらく過去最高の売上。買っていただいた方、出会ってくれた方、ありがとうございました。使ってもらえてるかなぁ。

一昨日の日曜日は朝からソフトボールを2試合やってから、急いで涼太くんの試合を観に行きました。冬の高校サッカー選手権・県予選。

高校3年生にとっては負けたら引退の最後の大会です。見逃す訳にはいきません。

野市の河川敷の会場に着くとものすごい強風。バニーアイズのユニフォームのまま、すごい場違い感を感じながら涼太のアップを眺め、あがってくる時に声をかけました。

「風…。」
「うん、すごいねぇ。」
「味方につけろよー。」
「OK!」

試合開始。前半は風下。本当にすごい強風。風と相手の勢いであっさり先制を許す。反撃しようにもゴールキックが風に戻される、クリアしたボールがふわふわ返ってくる。頑張ってる間に2点目も奪われました。(相手の2点とも涼太のコラソン時代のチームメイトに決められる。昨日の仲間が今日のライバル。今でも仲良し。)

本来攻撃の形を作り出す涼太(ポジションはトップ下)にボールが入りません。 ほとんど相手側にボールを運ぶことすら出来ず、自陣での長い長い守りの時間。
見てるこっちも「前半はよ終われー。後半風上になってからじゃないとなんともならんー。」って気持ち。

なんとか0-2で踏ん張りハーフタイム。
「2点か。厳しいなぁ。」って思いながらも希望を持って後半開始。

が、しかし!
ピッチに涼太がいませんでした。前半のみで交代!

ベンチ脇でスパイクを脱いで頭を抱えたり芝生に憤りをぶつけたりする涼太が見えます。6歳から続けて来たサッカーがあと40分で終わるかも、って時にピッチに立てない悔しさ。よく分かる。あとで聞いたら泣いてたらしい。悔し泣き。怒り泣き。

見てるこっちもそうですよ。
「先生、2点取らんといかんのに涼太引っ込めていいんですか…。一回戦は3つアシスト決めた選手ですよ…。風上に立ってさぁこれからって時に攻撃の形を作り出せるスペシャルなパサーを下げてどうやって点を取るんですか…。」
監督批判ごめんなさい。僕は涼太ファンです。

こうなってしまった状況を理解してから試合を眺めながらも頭をぐるぐる駆け回る想い。
「まじかー。涼太の高校サッカー、ってかサッカー人生がこんな強風のせいで、しかもベンチに下がってその瞬間を迎えるのかー。残酷過ぎるー。そんなドラマありながー。将来大人になってこれも思い出として笑って振り返れるがやろかー。辛いー。終わってなんて声かけたらえいがよー。」

と同時に、ベンチ横でふてくされて駄々をこねる涼太を見て
「今、そんな態度じゃだめやろう。今こそ味方のために声出して、ベンチからできることをやり切らんと。」とも思う。

そんな中、味方のFW陸人(鴨田FCからのチームメイト)がPK獲得。シュートも決める。「1-2」
これでだいぶ頭が切り替わり、逆転すれば涼太にも次のチャンスが生まれるってことが頭に浮かんでくる。もう応援です。祈りです。
ベンチの涼太も少し気をとりなおして芝生に正座して味方の逆転を祈ってる様子。
でも、コーナーキックやフリーキックのチャンスの場面になる度に、もんどりうつ涼太。「俺ならもっといいボール蹴るのに!」って心の声が聞こえて来ます。
僕も同じです。
「あー、涼太がおったら…。先生、やっぱり点取るにはプレースキッカー置いちょかんといかんかったがやないがですか…。」
涼太ファンですから。涼太ファンも心で叫ぶ。
それでも味方の頑張りで追いつく。「2-2」!涼太も芝生に正座で拍手。

さらに、陸人が点を取る。取ってくれた!涼太も正座でガッツポーズ。
「3-2」逆転!試合終了!生き延びた!

試合後、陸人に声をかけます。
「ナイス、陸人!ありがとう!」
そしたらこんな粋な答えが返って来ます。

「涼太泣きよったきね。頑張った。」

うれしいねぇ。小学校時代から知るサッカー少年のたくましい姿。成長。

自分で勝手に紆余曲折を感じながらも、ベスト8進出です。

心の中でいっぱい文句言ったけど、「0-2」から涼太を外してきっちり逆転したのだから先生の采配ズバリです。
本当にこんなに風の影響ってあるがやね。実感する試合でした。怖い怖い。

涼太を送る帰り道の車の中
「終わったと思ったね。」
「うん、俺のサッカー人生これで終わりかって思った。ハーフタイムの間ずっと『まだやれます!』って先生に言いに行こうか考えよったし。」
「けどあれで逆転したってことは先生の采配ズバリってことやきね。」
「やねぇ。」
「あと一週間、しっかり練習で気持ち出しちょき。先生に『あ、涼太目の色が違う。この前の交代が効いたかにゃあ。』って思わせんと。じゃないとまた替えられるぞ。いつもより走る。いつもより声を出す。今日先制された時とかも周りにいい声かけは出来ゆうき、そういうのをもっともっと出せばいい。『やっぱ涼太はピッチに置いちょかんと』って思わさんと。」
「うん。」
「これからはいつ終わってもおかしくない試合になる。最後ピッチにおりたいろ?」
「うん、頑張る。」

頑張れ。
もうサッカー少年にこういうアドバイスをする機会もなくなるがやね。
最後やきもう一回LINEしちょこう。

ベスト4をかけた試合は土曜日です。
また仕事サボって観に行きます!

今週末は刃物まつりです。
10月17日(土)18日(日)香美市の鏡野公園にて。

毎年出店しているのだけれど、ここ数年はブログやfacebookでは事前に告知をしてませんでした。お店にポスターを貼ることもなく。

はさみ屋に来てくれるはさみ屋のお客さんに「刃物まつり」の告知をする必要があるのか?って疑問から。
高知の主な刃物屋さんが大集合のイベントに来てもらったら別のお店のお客さんになるリスクあるやんか。

僕のブログやfacebookを見てくれている人は刃物や研ぎ直しが必要になったらはさみ屋に来てもらえる可能性の高い人ばかりなわけで。そんな人たちにわざわざ他の刃物屋さんを紹介する感じ。宣伝の必要はないって結論でした。

が、しかし、今年は思いが違ってます。
いろんな刃物のお店が集まる場所で全部しっかり見てもらって、その上ではさみ屋を選んでもらえるようになるべし。
そんな気がしております。

他の刃物屋さんとは違う道を歩けてる自信も出来ました。みんなが歩かん道を見つけた自信。
そこから生まれる「他所のお店で商品と価格を見比べてもらっても大丈夫」って気持ち。

さらに言えば、はさみ屋のお客さんがうちで刃物まつりのポスターを見て刃物まつりに行って他のお店で包丁買っても大丈夫、って気持ち。わかる人はきっと帰ってくるに違いない、って思い込み。

そこまで受け入れる覚悟って言うと大袈裟やけど、受け入れる態勢が整ったような気がしてます。
値段や見た目だけで選んでもらいゆう訳じゃないぞ、って他の部分の努力への自負もあるしね。

この前岡山の居酒屋で聞いたセリフ
「浮気してもらって大丈夫。浮気してもらったら一番自分の腕やサービスを理解してもらえる。その先にまた帰って来てもらえるような仕事を目指していけばいい」ってことやね。

たぶん目指して来たしこれからも目指し続けます。

刃物まつりは17日(土)18日(日) 鏡野公園にて

お待ちしてます!

あ、10月。

長男・涼太くん(高3)の進路が決まりました。理容美容の専門学校に合格。
はさみつながり。これもまた職人の道。

自分で見つけてしっかり悩んで自分で選んだ進路。いろいろアドバイスはしたけれどきちんと自分で決めました。応援します。

残り少ない高校生活。進路も決まり、これで冬の高校サッカー選手権に集中です。
小学校一年生から続けて来たサッカー人生の集大成。泣いて笑って走って転んでケガして、毎日毎日よく頑張った。好きこそものの上手なれ。僕はひそかにまだ続きがあってこれでサッカー人生が終わるとは思ってないけど、とりあえずは一区切り。

今週末は刃物まつりに出店するのだけれど、見逃せないので刃物まつりを抜け出して一回戦から見に行きます。

あと何試合見れるかなぁ。

将来の仕事が見えて来たり、「車の免許取りに行かんといかんねぇ」って話が出たり、サッカーを引退する日が近づいて来たり、どんどん勝手に大人になっていく18歳です。

もう1人、全然将来が見えない次男・凜くん(高1)。
バンドデビュー。高校入ってサッカー少年からベーシストに転身しました。
学園祭でのデビューライブを見て来ました。半年でまあまあ形になるもんやね。彼は器用。

演奏終わって楽器を片付けながら思い出したようにマイクに向かって歩いて来て

「あのー、1年6組でおいしいパン売ってます。買いに来てください。」

クラスの物販をPR。こういうものおじしないとこ、発信すべきことに気づくとこ、素敵です。
「パン売ってます。」じゃなくて
「おいしいパン売ってます。」
このセンス大事。

それぞれがしっかり着々と大人になっていて、それぞれの持ち味を発揮していて頼もしいし、見ていて楽しい。
この先もどんな道を歩くのか。

果てしない未来。楽しんでください。
43歳だって無限です。

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