鍛冶屋日記

カテゴリー: 仕事

昨日は忘年会で盛り上がり、二次会終わり後ローソンで立ち読みするとっしゃんを見つけてお家に乗り込み、4人の男達がこたつでバタバタ眠っていくのを見届けてから家に帰り着いたのは朝5時でした。麻雀なしで朝5時なんて…。

いの町商工会さんがひと月程前にこんな冊子を作ってくれました。

「PRESS 716」

町内のあちこちやてんこすさんやとさてらすさんにも置いていただいてるらしい。

いの町商工会の青年部から職人、手仕事をテーマに10人をかっこよく紹介する素敵な小冊子。
大工さん・畳屋さん・畜産農家さん・生姜農家さん、などなど。

そんないの町の精鋭達の中、はさみ屋早くも結果を出しました。

40代と思われる男性がご来店。
釣りをするので魚をシメる、捌くためのナイフや包丁を見に来てくれてお話する中でショーケース上に飾ったこの冊子を見つけて

「これ見てお店を探して来たんですよ。」って。

奥様がいの町出身でどこかで手に入れたそうです。

この日は様子見で
「また研ぎ直し頼みに来ます。ナイフも欲しいし。いいとこ見つけた。」って帰られました。

PRESS 716 でお客様一人獲得。

何かをやって結果が出るって素晴らしい。

鍛冶屋なんて斜陽産業の先端を走ってる業種だと思いますが、何かをやると、闇雲でも動くと結果は出やすい。すごく感じる。

それだけ今まで何もやってなかった、他がやってないってことなのでしょう。
つまりやれることっていっぱいある。そんで、うまい具合に次から次へといろんな話が舞い込んで来てくれる。いろんな人が助けてくれる。

昨日の忘年会でもいっぱいチャンスやヒントをもらいました。次にやるのは滋賀進出とふるさと納税。

鍛冶屋の時代とは言いませんが自営業の時代はやって来てるんじゃないかなぁ。やり方次第。

前途洋々。
やることいっぱいで仕事もいっぱいで休みはなくなるけどね。目指すは週休2日です。
今日も4時間睡眠で(これはゆうべ楽しんだ結果だから仕方ない)この寒い中帯屋町に出店しに来ちゅうけどまだ売上はゼロやけどね。

前途洋々。

やれることはすべてやる。
やれるであろうこともすべてやる。
それだけでね。

昨日お客様からお電話。

「そちらは包丁も作ってる刃物屋さんですか?」
「はい!」
「あのー、『てんこす』さんで包丁買ったんですけど…。」
「はい、『てんこす』さんにも並べてます。」

なんかダメなとこあったがやろか⁉︎って一瞬身構える。

「そちらに直接行っても包丁ありますか?」

ダメ出しじゃなかった。

「はい!てんこすさんより種類もサイズもたくさんありますよ!」

土佐市の方でお店の場所を説明。近いのですぐにわかってくれました。

で、ご来店。30歳前後の男性でした。
来られた瞬間から目線はデザイン包丁に。

「これを買ったんですけど、この柄(ドット)の少し小さめのものはありませんか?」

「あー、それはその一種類だけでやってます。」

「そうかー。じゃ、これ下さい!」

「同じのをもう一丁?」

「はい。友達の結婚のお祝いに。」

「ありがとうございます!」

お客様が帰られた後、ちょっと感動で震えてしまいました。本当にゾクゾクしました。

約4年前に商工会さんの紹介でてんこすさんに出会い商品並べて売ってもらうようになる。もう4年かー。
それとは別に1年前に四国経済産業局さんからのアンケートに答えたとこからデザイナーさんとのコラボがスタート。
その中でまた木工職人さんと出会わせてもらって、デザイン包丁が7月に完成。
8月にてんこすさんのショーケースに並べて10月に初めて売れる。
そのお客さんがもう一つ欲しがってくれてはさみ屋まで来てくれる。
しかもお友達への結婚祝いに!

もう考え得る最高の形。
理想の道筋。

アンテナショップをこんな風に使いこなしゆうとこ他にないはず。

ちょっと驕ったね。ごめんなさい。

でも、てんこすさんには初めから「うちを使って自店に引き込む努力はどんどんして下さい。」って言ってもらってます。だからはさみ屋のチラシを置いてもらえる。そういうスタンスで高知をアピールしてくれる大切なお店。

こんな感じで、どこに出品する場合も、イベントに売りに行く時も、その場の売り上げだけじゃなく、将来自店に来てもらえるように!と思ってやってきました。
そのあとの研ぎ直しに対応するためにも。売れて終わりじゃないもんね。うちの場合は。

さらに「プレゼントに包丁を!」ってのもずっと考えてきたことの一つ。

その理想の形に今年の一大プロジェクトのデザイン包丁が絡まってのうれしい出来事。

間違ってないぜよ、と思わせてもらったので、これからも続けます。

やってきたいろんなことが繋がって絡まって結果が出た気がして、本当にうれしかったです。
包丁がひとつ売れてこんなに喜ぶ鍛冶屋もなかなかおらんね。

『Sanuki no Megumi』がなくなったので頑張って今日またひとつ仕上げます。

明日も売り出し!ひろめ市場!

見せられましたね。野球選手の底力。ナイスゲーム。ナイスシリーズ。

現在毎週毎週日曜が来る度に飽きもせず売り出しイベントに出続けて27連勤の22日目ですけどまーくん見てたらそんなこと言ってられません。
一ヶ月毎日完投します。勝っても負けても。
次の日曜日はお休みです。
朝8時から土佐山で試合(ソフトボール)やけど…。

もうだいぶ前のことになりますが10月23日に商談会なるものに参加して来ました。

『かがわのおみやげ発掘商談会』

土佐打刃物ですけど高松のデザイナーさんと木工作家さんとコラボしたデザイン包丁を出品。

事前に提出した資料を見て興味を持ってくれた3社のバイヤーさんとお話しして来ました。
それぞれ反応が違ってものすごくおもしろかったです。

①伝統工芸品を今風に扱うお店(30代男性)
・刃の存在感が凄すぎて柄が軽く見えます
・柄の方ももっとスペック(使う材料とか耐久性とか)にこだわった方が良くないですか?

いきなり先制パンチでダメ出しをいただきました。。けれど感じのいいダメ出し。人柄ですね。
こだわる男の人目線ならこう見えるに違いない。でもスペックにこだわるならうちが作ってきた従来の包丁で良いはずやし。それだけでは届かない層を狙ってのデザインを入れた柄の開発やし。
控えの席に戻ってデザイナーさんと「男の人向けの柄も考えてみてもいいかもね。」って前向きに相談。
感じいい人のスジの通った意見は素直に聴けます。

②四国の旅行雑誌を作る会社・取材で出会った良い品をネット通販で販売(20代女性)
・かわいい!使ってみたい!
・来月取材に行きます!

今度は絶賛をもらいました。
うん。
このデザイン柄のターゲットはここ。だからやっぱ正解。
そしてこの方も感じ良し。取材お待ちしてます。

③栗林公園に併設されたお土産や工芸品を扱うお店
・ショーケースも一緒に提案してくれるとお店としては扱い安いね
・香川県の委託事業としてやってるお店なので取引相手が高知の事業所ってのは厳しい…

だいぶ興味持ってくれてたし、この包丁が並んで似合うお店だと思ったので残念でしたけど、いろいろ教えていただきました。
2つの包丁だけを飾る用のショーケースもデザイナーさんと木工作家さんと一緒に考えてみよう。

たぶん他の業者さん達は会社からの責任を背負って自社の新商品を売り込みに来てる方々で自分達は場違い感ありありやったし、結局今のところ何も結果は出てませんが、すごくためになるお話聞けたし、目指して来た方向は間違ってないとも思えたし、また次の展開を考える機会にもなりました。

本当にすごくおもしろかったのでまた何か形にしてこういうチャンスをもらいたいと思いました。

次に繋げます。

「やる人とやらない人しかいない」
だったらやる人でいたいです。

BEAMS高知さんより鋏の砥ぎ直しのご依頼。
洋裁鋏、糸切鋏、各20丁。

3年くらい前に友達が店長さんと仲良しで紹介してくれてから時々ご依頼いただきます。

もう4、5回目かなぁ。

高知のアパレルを代表する会社さんからの砥ぎの依頼はちょっと誇らしい。
JEANS FACTORYでジーパン買ったら僕が砥いだ鋏で裾切りゆうがやろか。たぶんそうでね。

BEAMSさんの場合は友達の紹介のおかげだけれど、こういう所に営業かけたら仕事はいっぱい眠ってるに違いない。

そこに攻め入る余裕はまだないけれど。
じわじわ気付いてもらえればいい。

今回もわざわざ刃物まつり前のこの忙しいタイミングに…、って思ったけれどあんまり待たせる訳にもいかないので今日中に仕上げます。

40丁かー。

デザイン包丁の現在。


一応デビューは7月の七色ロード。イベントにて初の公の場でお披露目。

その後コンセプトを示したPOPを揃えて8月10日に委託販売先の2つのお店に並べて来ました。

・土佐セレクトショップ「てんこす」
・土佐和紙工芸村「くらうど」

これでたくさんの人の目に触れる場所に置かれて本格デビュー。

ひと月放置した後、9月10日に様子を見に行くと

売れてました!

今年一月からあるきっかけで始まったプロジェクト。

『鍛冶屋×デザイナー×木工職人』

打ち合わせ、メールでのやり取り、試作、なんて初めてのことばかり。
そんな中で新しいロゴも出来上がる。

今までは「土佐・英・青入」という刻印を打ち込んでましたが、デザインされて木作家さんが作ってくれた素敵な柄を付けた時、

「この包丁を選んでくれる人にとっては土佐打刃物であることとか鋼の種類がどうとかあんまり関係ないにゃあ…。」ってことでデザイナーさんに新ロゴを発注。

はさみ屋の新ブランドの出来上がり。

「hasamiya」やけど。

高知の鍛冶屋と香川のデザイナーさんと木工職人さんが力を合わせて作った包丁の商品名は

・「TOSA no DAICHI」(ストライプ)

・「SANUKI no MEGUMI」(ドット)

の2種類。

今までの同じサイズの包丁と刃の部分は同じです。新しい形でもないし新技術もありません。鋼の質も砥ぎ方も同じ。つまり耐久性も切れ味も変わらない。
変わったのは柄とロゴとパッケージ。そして3人分の想い。

それでお値段は2倍です。

でも、いいもの出来たと思います。
かっこいいしやわらかい。

この新しい包丁を見た上で従来のものを選んでくれてもいいし、お値段高くてもデザインされた方を選んでくれる人もおるはず。(実際ひとつ売れた実績も出来ました。)

少しでもはさみ屋の品や仕事を、見てくれる人、気付いてくれる人が増えるんじゃないかとのんびり構えておりますので、新商品、新ブランドをよろしくお願いいたします、

繰り返しますが、今並んでるお店は「てんこす」さんと「くらうど」さん。
もし、行く機会があったらはさみ屋のショーケースを覗いてみて下さい。
もちろんはさみ屋に来てもらっても置いてます。

さぁ、次はどんな展開が待ちゆうかなぁ。

月曜日から昨日まで3日間、インターンシップ(職場体験)で高校生一年生がはさみ屋に働きに来てくれました。

なんやかや忙しく「受け入れます。」って言ったきり何にも考えずに当日になってしまって何をしてもらおうか困ってましたが何とかなりました。
うちには親父さんがいます。きちんと高校生が出来る仕事を次から次へと構えてくれました。こういうの本当に上手です。

難しいことは与えられないので「まっすぐにする」とか「ここを磨く」とか「油を拭き取る」とかの単純作業になり、あまり質問されたり教えたりってことにはならず。

休憩時間に話してもなかなか盛り上がる話題も見つけられないまま3日間が終わりました。

最後に学校が構えたアンケートを書いてもらってお別れ。

「他のとこに行ってる友達より間違いなくキツイ環境で頑張ったきそこは自信もっていいよ。」

こんなに暑くて熱くて汚れる職場はあんまりないはず。汗かいて鉄粉やら油にまみれて。慣れたら平気やけど。

「ここを通ることがあったらまた寄ってね。それから大人になって刃物が必要になった時に思い出してくれたらうれしいです。お疲れ様。」

親父さんは彼が作業した品の完成型をプレゼント。
「この3日間作業して、こうやってああやって出来上がりの品がこれ。おじいちゃんおばあちゃんにどんな風に出来ゆうか教えちゃり。」

お別れの後、彼が書いたアンケートを読みました。

(受け入れ先へのお礼の言葉)

「迷惑をかけることがあったと思いますが、優しくしていただいてうれしかったです。
3日間という短い間でしたがありがとうございました。」

なんて書いてくれててさびしくなる。

もっといろいろ教えちゃればよかった。もっともっとコミュニケーションとってあげればよかった。

真面目に黙々と仕事する良い子でした。

またどこかで会えますように。

今月2日のおかみさん市(帯屋町)にて、ナイフを眺める若い男の子あり。
眺めて一旦どこかへ行ってしまったけれど、しばらくしてからまた来てくれてまた眺める。

欲しそうだけれど何やら考えてる様子なので声をかけます。

「ナイフですか?」
「うーん。もう少し大きいのないですか?」
「だいたいこの大きさですけど、ご希望に合わせて作れますよ。」
「…じゃあこの形で一回り大きいの注文しようかなぁ。」

香川県からのお客様でした。

「来月からバイクで旅に出るんです。一年くらい。だからしっかりしたナイフを探してました。高知は刃物が有名やし。」

一年。バイクで。ナイフを携えて。

いろんな人いるなぁ。
そんな人に選んでもらえた。うれしい。

で、約3週間、出来上がり。

左の方がいつもの定番サイズ。今回作ったのが右端の赤。
昨日発送。旅の出発には間に合う。ご希望に添えてますように。

このナイフも旅に出る。一年くらい。バイクに乗って。

GPS埋め込んぢょけばよかったなぁ。

頑張って来い。

読み切られててびっくりする。わかるもんかね。

去年の年末にもらった注文がようやく出来上がりました。

忘年会で行った初対面の居酒屋さんからオーダーいただいた肉切り包丁。一緒に行った仲間の友達でしたけど。

ただ肉を切り分ける普通の牛刀ではなくてたぶん骨とかもやっちゃうつもりの厚めのやつでかなりナイフっぽい感じ。
簡単な図面とイメージとサイズを聞いて「出来ます?」って言うので「やってみます!」って言ってからもう5ヶ月。忙しさから延ばし延ばしになっていてずいぶん時間が経ってしまいました。決して忘れていた訳じゃありません。気にしながら先延ばしにしてきてしまいました。

果たして覚えてくれちゅうろうか?

お待たせしたことをお詫びしながら届けてみます。

髪の毛を伸ばし放題の商工会の臨時職員さんに「髪を切りなさい。立場上それはあり得ん。」って指導したり、職人ストリートから逃げ出した植木職人さんを引き止めに走ったり。どちらも今のところ聞き入れてはもらえてませんけど。力不足。そしてみんな自由…。

そんなことしてる間に同窓会が明日に迫ってるのに発起人代表のスピーチを考えてないことに今気付く。今から考えます。

ここ数ヶ月、プレゼンの仕方とかPOPの書き方とかの講習を受けるチャンスに恵まれたのと、ちょうどのタイミングで展示する場所を商工会さんが構えてくれたので、よし!と思って母の日商戦に参入することにしました。

講習会の資料とその時メモしたノートを見直してからPOPを書いてみようといろいろ内容を考えて文章も考えてつらつら下書きしました。そしたらやっぱり「売らんがためにごちゃごちゃ言う職人ってどうよ?」って気分になってきて出来た結果がこれ。

変わってない。結局クレヨン。

まぁ、少しかもしれんけど知識を入れた上でこうなったのだからよしとします。知ることは大事。

そんなわけで現在、母の日に間に合うように家庭用包丁数種類をがっつり仕上げてる途中ですのでご注文お待ちしております。

5日の日曜日には帯屋町にもこのPOP持って売りに行ってみます。

世間はG.W.一色ですが、母の日は12日です。お忘れなきよう。あ、忘れててこの記事を思い出してくれたらベストかも。少し忘れててもらって直前に慌ててはさみ屋を思い出してください。

よろしくお願いいたします。

トリタニイバタトリタニイバタ。
この1、2番は素敵です。シブい。
それから桑田さんの解説が素敵過ぎ。野球わからん人でも聞くだけで幸せな気分になれそう。もう全部正論やし。

日曜日は以前に書いたデザイナーさんとの3回目の打ち合わせ。
今回は包丁の柄をデザインしてもらって試作品も出来て来ました。見せたいけど見せびらかしたいけど、完成はしてないのでもう少し隠しちょきます。

デザイナーさんがデザインした柄を具現化した木工職人さんも一緒に高知まで来てくれて会うことが出来ました。

完成したからってバカ売れするとかボロ儲けするとか思ってないけど、こういう真面目に熱く仕事してる人達に出会えただけでもここに飛び込んだ甲斐あり。
2人とも若いしやる気あるし柔軟やし。
素敵な人達で良かったなぁ。
四国経済産業局さん、ありがとう。

早くお披露目したいけどきちんと良いモノに仕上げたいのであわてないで待ちます。じっくり一緒に作り上げたいです。

だいぶ思わせぶりですが、必ず世に出しますので、ご期待ください。

2025年4月
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