鍛冶屋日記

カテゴリー: 仕事

まぁ次から次へと書くことが。

先々週くらいに四国経済産業局さんからお電話が。
四国デザインサミット in 愛媛』へのご招待。

「この場でご自身のデザインとモノづくりに関してのご経験をお話しいただけませんか?」

前に出て話せと。
ずいぶんな大役。でもおもしろそう。キライじゃないです。

ただ、残念ながら日程が合わず。
2月28日は『いの町かみのひなまつり
に出店です。

なかなか経験出来そうにない場所。行ってみたかったです。いろんなお話も聞けたろうしね。
『職人ストリート』じゃなければ出店キャンセルして行ってたのになぁ。

数日後、また四国経済産業局さんからお電話。
今度はこちらへのご招待。
インターナショナルギフトショー

「こちらに四国経済産業局のブースを出すのですが、そこに笹岡さんのドットとストライプの包丁を展示させていただけませんか?」

もちろんOK。
って言うか是非お願いします。

「展示するメリットとしてはご来場の皆様からアンケートで商品へのご感想などを聞くことが出来ます。そして、ご来場のデパートなどのバイヤーさんでご興味を持っていただけた方とのお取り次ぎはさせていただきます。」

後半にちょっと不安があったので質問しました。
「もし万が一、気に入っていただけても生産能力の問題で、お取引にはならないかも、って言うかたぶんデパートとかとお取引するのは無理なんですけど、それでも出品してもいいですか?」

つまり、初めからあんまり売る気ないのに出していいものか。間違いなく作れんもん。

「あ、それは大丈夫です。」

という訳でデザイン包丁4種類と取り上げてもらった雑誌と新聞のコピーとデザイナーさんが作ってくれたPOPを東京へ旅立たせました。

水・木・金とギフトショーでお披露目です。楽しみ。

もう一つこんなエピソード。
しょうがの女神・森島さんのブログに再びドットとストライプが登場。

「今度マツコデラックスさんにお会い出来るかもしれないので、もしお会い出来たらプレゼントしたいんです。」ってストライプをご注文いただいてお送りしたのが昨年末。
結果はこちら→森島さんのブログで。

残念ながら届かず…。惜しい。

けど、デザインがどんどん見たことない場所に経験したことない大きな世界に連れてってくれます。
自分は何にも営業してないのに。

すごいなぁ。

置いて行かれませんように…。
てか、引き留めゆうなぁ。
自分の生産能力が。

まぁ仕方ない。働きます!

この前「ブランディング」について講習を受けました。

その時つけたノートを見直して

・新規顧客開拓よりリピーターを大切に
・他とは違うところを特化すべし
・いろいろ言うより一つにフォーカス
・特化出来ればキョリもキボも関係なくなる
・その先には価格競争から抜け出せる
・大切なのはこの品を選んでこのサービスを受けてお客様がどうなるか
・それを正しく伝えること

「売る」じゃなくて「伝える」

うん、やってきたし、そればっかりやってます。
「さとるさん、売る気ないよね。」って言われて喜ぶ。
だからこの講習は学ぶというよりは確認。
今まで通り続けましょう、です。

昨日も帯屋町に出店して来ましたが売上はゼロ。
(売れ筋が並んでないので仕方ない)

それでもいつも研ぎを持って来てくれるお客さんから「この前新聞出ちょったねー。見たよ!」とか、ちょっと興味ありそうに見てくれる方にチラシを渡したり。それでいい。
(一応、研ぎ直しで出店料と駐車場代は出てます。)

それでいいと思え始めたのはいつやったがやろ。
初めは「あー、今日は売れんなぁー。」ってがっかりしたりしよったのに。

ある時から売れないことが怖くなくなりました。
毎回毎回売れん訳でもありません。念のため。
でも、その日たまたま良く売れるより、次に刃物を欲しくなったり研ぎ直しを頼みたくなった時に思い出してもらえるために、が大切ながよね。
どんなイベントに出店したとしても「包丁欲しいなー。」って思いながら探しながら歩きゆう人なかなかおらんき。刃物まつりは別やけど。

その「思い出してもらう」ためにはさみ屋Tシャツ着て頭にタオル巻いてあちこちのイベントに出るし職人ストリートやるしそこでチラシ配るし。
砥石持ってって研ぐ姿を見てもらって試し切りで切れ味を体験してもらう。

「あ、またこの鍛冶屋さんや。」
「この人また包丁研ぎゆう。」

出品可能なアンテナショップにはショーケース構えて並べにいくし、チラシを置かせてもらうし、ブログも書きます。

「あ、このドットの柄かわいー。」
「この鍛冶屋さんこの前イベントで見たなぁ。」

うん。それでいい。

で、もう本当に奇跡的にめでたくうちのお店に来てもらえたら油と鉄粉まみれの汚れた仕事着で頭にタオル巻いた見たことある兄ちゃんが出てくる。

それでいいはず。
それがブランディングやろ。

「親父と2人で作ってます。」
「どこの品でも研ぎ直しします。」

これだけを伝え続けて来ました。
刃物売ってるだけのとこに出来ないこと。
刃物作ってるだけのとこがやらないこと。

特化。難しいことじゃない。

だって、「刃物を作ってます。研ぎ直し致します。」ってのは、僕が始めた訳ではなくて何十年も前から親父さんがやって来たこと。もともとそういう素地があったことに本当に感謝。

それをうちの強みと感じたからこそ、その部分をもっと目立たせるように動きゆうわけで。

そうして行かんとうちの仕事が続いてなかった、ってのもあるし。
従来の刃物業者さんからの注文がいち早く激減したことも、今となっては感謝です。

注文が減ったからこっちを向けた。

プラス思考。

それからマーケティングを説明するこんな表を見つけた時も

あ、これやって来た。
間違ってないぞ。

そして、キョリもキボも関係なくなって来たことをだんだんと実感してます。

そして、それは工場にこもって作ってるだけでは伝えられないこと。
だから『職人ストリート』をやってます。真面目に仕事してる周りの若い職人さん(散髪屋さんやクリーニング屋さんや植木屋さん)達にも自分を発信出来る場所を。

「僕がやってます!」って最強やもんね。
みんな自分の手で仕事しゆうがやき。

さらに『職人ストリート』そのものがブランディング出来たらすごいのになぁ、なんて考えてます。

11月23日(日)いの町商店街にて『職人ストリート』やりますので、是非遊びに来てください。

先週の木曜日。
50代くらいの男性のお客様あり。

「ナイフあったよね?」
「はい、こちらです。」
「んー、これちょーだい。」

18000円也。
高額商品あっさりご購入。

お話を聞くと
・3月のひなまつりで見ちょった
・その時僕と話した
・いのの町なかの方
・キャンプに持って行くのにちょうど良さそうだった

来ました!
職人ストリート効果!
成果か。

5ヶ月経って結果が出ました。

あの日いくら売れたかなぁ、あの日も途中から雨やったなぁ、って調べるとひなまつりの当日売上は包丁2丁だけ。9000円也。
3月1日の売上が5ヶ月経って3倍にジャンプアップした気分です。

「刃物買いたいぜよ!」って人が商店街のひなまつりのイベントにどれだけ来るか。来んよね。そう簡単には売れません。

でも、その時出会った人が欲しくなった時、必要になった時に思い出してもらうために売れようが売れまいがお店を出す。

刷り込み刷り込み。

「いの町にも鍛冶屋がいます。こんな感じでいろいろ作ってます。研ぎ直しもお申し付けください。」

今回は5ヶ月やったけど、もしかしたら1年・3年・10年後のお客さんの種もどこかで育ちゆうかもね。けっこう撒き散らして来た自負はある。

10年経って「あの時のイベントでチラシもらったので来ました。」ってお客さんが来てくれたなら包丁ひとつの研ぎ直しでも大成功です。
職人ストリートをやる意義。続けたい。

あ、この秋冬にもいの町でやる予定なので、ご興味ある方連絡ください。
職人ストリートって銘打ってますが、どんな職種でも構いません。出店条件は「心意気」だけ。

おかげでどんどん忙しくなって、特注のご注文をお待たせしていたり、定番の品も品切れのモノがあったりで、作るのが間に合ってなくてご迷惑おかけしたりしてますが、未来のために、行ける場所には行かんとね。

いつまで未来のために動かんといかんがやろ?って思うこともありますが、こうやって成果が出ると「よし!」って思います。

まだ、広げれる。頑張れる。

今月初め、刃渡り25cmのでっかい四角い包丁のご注文をいただきました。
10日ほどしてからまたご来店。

「まだ出来ん?」
「お待たせしてます。もうちょっとです。」
「これあげるわー。早よ仕上げてよー。」

催促ついでににスイカをいただく。

これを切るがやね。スイカ包丁。
この時は焼き入れ終了したばかり。

あとは砥いで仕上げれば、って状態。

数日後、完成、無事お渡し完了。

包丁を買ってもらった上にスイカももらえるいい仕事。

鍛冶屋はいろいろいただけます。

セロリ収穫用包丁を作った時は新鮮セロリもらったし、タケノコ鍬の修理や柄の付け替えをしたらタケノコが届く。
猪肉やお魚も。
牡蠣を岩から剥がす道具を作ったら「しっかり使えたよー」ってでっかい牡蠣が届いたこともあります。

注文もらって作って代金もらって、時々その先におまけがある素敵な仕事。ありがたい。

先週末もまた別のお客様からお野菜いただきました。
鎌の研ぎ直しを預けてくれた後
「うちで作った野菜いる?昨日採ったやつやきちょっと元気ないけど。」
「ありがとうございます!」

キュウリ・ナス・カボチャ。
こんなにたくさん。

生産とか収穫とかに近い仕事ならではの贈り物に感謝です。

旬のものを採ったり切ったりするモノを作ったり直したりするので、
「まだー、急いでよー。」
ってよく急かされるけどね。
道具も時期を逃すと来年まで必要なくなったり。

旬。

お待たせしてます。
頑張ります。

昨日不意に早起きしてしまったのでお客様からのメールにお返事を書きました。
お返事を書く時間が作れなくて先延ばしにしてきた先週末からいただいてた4本のメール。特注品のお問い合わせや商品到着のご報告メール。

そんな風にはさみ屋のお問い合わせフォームにいただいた中のひとつのメールをご紹介。うれしかったので。

「ふるさと納税で包丁をいただきました。小ぶりで使いやすいのはもちろん、良く切れ重宝しています。
そして、なにより、何だかかわいらしいので、4~5本持っている中でも一番お気に入りです!出番が多い!
来年もいの町へふるさと納税して、手に入れます。
手に馴染むかわいい包丁を。遅くなりましたがお礼申し上げます。」


これやね。
4~5本持っていてさらにふるさと納税のお礼の品からうちの包丁を選んでいただいたってことはたぶん包丁が好きな方だと思います。

そういう方からの「良く切れ重宝しています・手に馴染むかわいい包丁」のお言葉はうれしいー。

さらに「来年もいの町に…」ってセリフ。

これが実現すれば、ふるさと納税のお礼の品の中に並べてもらって売上を作ってくれてPRしてくれてる町や観光協会さんへの恩返しが叶います。小さな小さな恩返し。

こういうメッセージを食べて生きてます。

それをやる気に変換して、6月頭からもまた続々注文が来ていっぱい溜まったふるさと納税の包丁を砥いでます。
18件・ 25丁を仕上げて送らなければなりません。

来週初めには全て発送出来そうな感じで進んでますが、発送する前にまた11件・17丁の注文が来ました。

誰か作ってくれたら楽やのに、って思ったことは内緒です。

一歩一歩完成に近づいてますのでもう少しお待ちください。

書きたくて書きたくてたまらなかったこと、書きます。一ヶ月溜めてました。

5月のG.Wに行った有田の陶器市であるお客様に出会いました。

1日目の終わり間際に一人の若い女性がうちのお店の前で足を止めてくれました。
「あ、興味持ってくれた!」ってビビッと感じたので声を掛けました。
でも何だか急いでるような雰囲気があったし、こっちもそろそろ片付けようかってタイミングだったのではさみ屋のチラシをお渡しして「ホームページもありますのでまた見てみてください。」って、だけでお別れ。

翌朝、陶器市2日目の出店準備が完了した頃、はさみ屋のお問い合わせフォームから佐賀の有田までメールが飛んで来ました。

「有田陶器市で水玉とストライプの柄の庖丁に興味を持ち、笹岡鋏製作所さんのチラシをいただいた者です。

今日は食器探しが目的で有田に行ったので、あんなに可愛い庖丁に出会えると思わず、しっかり手にとって見せていただかなかったことを、帰宅してから悔いています。

ブログを見ると明日も出店されているとのことですが、福岡県在住なもので、気軽に有田まで見に行くことができません。

そこで、あの庖丁の種類や大きさ、お値段などを教えていただけないでしょうか?

お忙しいところ申し訳ありません。
こちらは急ぎませんので、お返事はいの町に帰られてからで結構です。
よろしくお願いいたします。」

もうね、KOです。ノックアウト。
読んでからうれしさにちょっと震えました。
たまたま通りかかって、偶然デザイン包丁を見つけてくれて、ほんの一言二言交わしただけの方がその出会いからブログまで覗いてくれてメールをくれる。
最後に「お返事はいの町に帰ってからで」って。「いの町」って単語が光って見えました。

この時点で有田に誘ってくれた花村さんと会場の陶山神社の宮司さんには宣言しました。

「このメールもらえただけで僕はもう有田に来た甲斐がありました!」

言われた通り、佐賀遠征を終え、いの町に帰ってゆっくりお返事メール書きました。気になってはもらえているけれど、あの時あの場所ではしっかり見れてないようなので写真も添えて。お値段、サイズ、それから僕が伝えられる全ての情報を。

ここで、デザイン庖丁を一緒に作り上げたデザイナーさんと木工職人さんにはご報告。
「こんなうれしいメールもらいました!注文もらった訳じゃないけどちょっと感動してます。」

ご予算とお値段が合わないってこともあるし、思ったサイズと違うってこともある。
こうやって気になって連絡いただけただけで充分。
これがデザインの力。ドットとストライプは完璧に役目を果たしてます。

それから約一ヶ月は普通の生活。ふるさと納税に追われる生活。

5月が終わろうとするある日、このお客様からお電話がありました。

「刃が引っかかって切れなくなった裁ち鋏が出て来ました。研いでもらえますか?それと一緒にドットの庖丁も送ってください。」

うれしかったです。
電話を切って一人ぼんやりと感動。

裁ち鋏が届きました。
お手紙が添えられて。

研ぎ直しご依頼の鋏がご両親から贈られたものでとても大切なものであること。
切れなくなったけれど何処に修理に出せば良いかわからず、ずっとそのままにしてあったこと。
はさみ屋チラシを読んでくれて研ぎ直しを頼もうと思ってくれたこと。
このブログを読んだ上で研ぎ直しを頼んでも大丈夫だと思ってもらえたこと。
「この鋏でまた布をジャキジャキ切れるようになると思うととても楽しみです。」

庖丁はご自分のお誕生日に注文する予定だったこと。
けれど研ぎを頼みたかったので同時注文にしました、って。
「庖丁も楽しみです。一生大切にしたいモノに出会えたような気がしてます。」

すごいでしょ。はい。自慢です。
こんなお手紙もらったら手ぇ抜けません。いや、いっつも抜いてないけど。それでもやっぱりいつも以上にしっかりやりたいと思ったのは間違いない。

で、研ぎ直しして一昨日庖丁と共に発送。昨日到着。

さらに物語は続きます。
Facebookを通じて到着のご連絡をいただく。
「メールの写真で見た以上に可愛いです。」って。
Facebookで探してくれました。メッセージをくれました。
庖丁の写真もアップしてくれてました。いいね!しました。シェアしました。これがこのお客様との物語。

ここからは僕の気持ち。

なんかね、本当にうれしい出会いです。こんなのなかなかないです。
今まで出会ってくれたお客様、ごめんなさい。そういう意味じゃないので誤解なきよう。特別感の説明します。

その理由。
僕がここ数年やって来たこと全部が全部、本当に全部が活きて今回のご注文になった感じがする訳です。

4年前にアンテナショップ出品のためにはさみ屋チラシを作ったこと。

研ぎ直しは最も需要があって、一番簡単にはさみ屋の技術をわかってもらえる仕事として、ずっとずっと大事にしてきたこと。
これは親父さんの時代から。
それをチラシでアピールしてきたこと。

思うこと考えることやってることをこのブログに書いて来たこと。

デザイン庖丁に取り組んで完成したのは1年前。

そして、お誘いに乗って佐賀県有田へ出店に行ったこと。

お誘いは飲み会の席でした。
お誘いいただいたのは町の活性化なる名目で日々動いてるからこそ出会えた福岡の方。

何一つ無駄になってないやん。
自慢です。
「どうだ!」って感じです。

んで、どれか一つ欠けてたらこのお客様のところへ届いてないような気がします。
水玉の庖丁も心意気も。

そんなに深く考えて動いてる訳じゃないけど、やった方がいいと思って積み上げてきたこと、自然に任せて出来てきたいろんな人とのつながり。

その全てに対して
「大丈夫。それ、間違ってないよ。」
って言ってもらえた感じ。このお客様に。

まぁ、お問い合わせのメールもらった時点でほぼ同じ感動をしちょったがやけどね。本当に。

そんなこんながあるからこそ、一つ庖丁をお買い上げいただいて、鋏一つの研ぎのご依頼をもらっただけで、お客様が引くくらい喜んでます。感動してます。

本当に一つ庖丁が売れただけ。
でも、うれしい。

誰より僕が一番うれしい。

きっとまたいつか、こんなことが起こるはずなので、これからも一個ずつ積み上げたいと思います。
いろんな人といろんな場所と繋がってみます。

長い長い文章を書き上げた結果、自画自讃でした。ごめんなさい。

「それ、間違ってないよ。」

だから、今まで通り、続けます。

「さぁ、ここからやるぞ!」ってところでちっとも熱さを感じられずにがっかりしたり、その愚痴を聞いてもらってほっとしたり、「それはおせっかいで」ってバッサリ切られたり。何故だかその切られたバッサリ感に安心したり。
まぁ、せっかく新しく始めたことなので何か見えてくるのか何にも生まれないのかわかりませんが、もう少し続けてみようと思います。自分のためになるようには絶対するし。自分で。

この度、今年の目標をひとつクリアしました。昨年末の忘年会で見つけた目標のうちのひとつ。

「ふるさと納税」

いの町にふるさと納税してくれた方へのお礼にいの町の特産品をお送りするシステム。
そのお礼の特産品にうちの品を入れてもらおう!ってこと。
もちろん生産者にとっては売上です。

忘年会の席で町の年下議員さんから「やりましょう!」って勧められ、観光協会さんに「協力しますよ。」って言葉をいただき、すでに特産品を出してる土佐の赤牛を育てて売るお肉屋さんにも「結構出るき、絶対やった方がえい!」って言ってもらう。

年明けに前出の議員さんから「役場に確認して来ました。刃物もOKです!」って連絡。
わざわざ聞きに行ってくれてました。ありがたい。

それで写真と説明文を書いて観光協会さんにメールして「役場に提出しました。準備お願いします。」って言ってもらったのが2月半ば。

それから町のホームページをちょくちょく覗いてたけれどなかなかアップされず。
ちょっと忘れてしまっていたら昨日「注文入ったのでお送り先、その他注意事項メールしときます。」ってお電話をもらう。

急いで確認したらちゃんとアップされてました。
いの町へのふるさと納税はこちらから。

で、本日出荷。
町長になりすまして、じゃなくて町長から委託を受けて商品発送。

はい、目標クリア!

いろんな人のおかげです。
そのホームページに載ってなければきっとはさみ屋の存在すら知られることもなかったであろう県外の方の元へうちの品が旅立った訳です。
包丁が欲しかった人ではない、ただ、いの町に協力したいって方のところへ。

赤牛や文旦やマンゴーや土佐和紙やアイスやお酒の中から選んでもらう必要はあるけれど。
選んでもらえた。
その時選んでもらえなくても「あ、いのでも刃物作りゆうがや」って知ってもらうだけでも効果はあるよね。

本当にいろんな人のおかげで、またひとつチャンネルが増えました。
言葉にすると軽いけれど、本当に「ありがとう」です。

そんないろんな人と出会って繋がるってことが何より大切な気がしてます。その想いはどんどん強くなっております。

こうやってちゃんと結果出るし。

だってあの飲み会行ってなかったらこの売上はなかったわけで。3ヶ月とか半年とか1年先に実現しちゅうかもしれんけど。

そして、その大切なことを頑張る次の世代に伝えたい。けど、これがなかなか難しい。
ま、これは気長にやります。
そもそもおせっかいやきね。

前回書いた『山のそらの森のめぐみ市』でチェーンソーの目立てを見せてくれたおじさんが!
昨日、包丁を2丁持ってはさみ屋にご来店くださいました。研ぎのご依頼。吾北から。
うれしいなぁ。

この度、はさみ屋、雑誌で紹介されました。

『四国旅マガジンGajA(ガジャ)』

この時の商談会で出会った出版社さんです。

写真も文章も素敵です。

文章を読んだ母の感想。

「上手に書いてくれちゅうねぇ。内容に嘘は無いがやけど。」

まっこと。
確かに全然嘘はないし、親父さんと2人でやってきたことやし、取材にきてくれた時に話したことを書いてくれてます。
でもなんか、すごい仕事しゆうみたいになっちゅう。

写真もそう。
ごちゃごちゃいっぱい作りかけやら道具やらであふれた工場と裸電球がものすごくいい感じの空間に。

見せ方、表し方。
さすがプロです。
ありがとうございます。
イベント出展の際にはこれみよがしに飾ろうと思います。

本屋さんに売ってますので見てみてください。

『GajA』

発売中!四国の旅行雑誌です。

他の記事もとっても素敵な本ですので、134ページを立ち読みしてから買ってください。

あの日の商談会で出会えたことに感謝です。
商談会に誘ってくれたデザイナーさんにも感謝。
デザイナーさんとマッチングしてくれた四国経済産業局さんにも。

全部流れに乗っただけ。

やりませんか?会いませんか?出ませんか?

みんながみんなお膳立てしてくれた流れに乗っただけ。
それでこんな素敵な本に素敵な写真と素敵な文章ではさみ屋を紹介してもらえました。

自分がしたのは流れから降りなかったこと。
それと「やりませんか?」って言ってもらえる場所にいたこと。

最初に書いたチェーンソーのおじさんに会えたのも同じことだと思います。
「このイベント出ませんか?」→「はい、出ます。」があったから一人お客さんが増えたがやもんね。

声をかけてもらえるとこにいる、ってのは重要。

『大切なのは安請け合い』
それだけでどんどんお誘いが舞い込みます。

日々実感。
さぁ、次は何が来るがやろう。

この前の火曜日に小学生の男の子とお母さんがはさみ屋にご来店。

「お仕事の手を止めてすみません。この子が見たがっただけですので…。」

遠慮気味なお母さん。

「見るだけでもかまいませんよー。どうぞどうぞ見てってください。」

どう見てもウキウキワクワクしている少年。
車で通りかかって刃物屋見つけて覗きたがってくれたらしい。

「やっぱり!包丁いっぱいあるでお母さん!うわー、これ欲しい!あ、こっちの長いやつもいいなぁー!」

で、デザイン包丁を見つけて

「あ、これいい!ね!お母さん!これ買っていい?お年玉で!」

困るお母さん。

「いいろ!ダメ?あ、じゃあこのちっちゃい2000円のやつならいい?いいろー?」

こんな子おるがや!
お母さん困ってるので少しお話しました。

「何年生?」
「二年!」
「お料理好きながや?」
「うん!」

おもしろい。包丁が並んでるの見てハイテンションになる小学二年生。お年玉で包丁を買いたがる小学二年生。
鍛冶屋の作業に興味を持つ子供はいたけれど完成品に食いつく小学生は初めてだ。

お母さん困っちゅうし、前回書いたように本当にタイミング良く子供向けデザイン包丁を開発中なのでそれを伝えました。

「今ね、このかわいい柄のシリーズでちょっと小さいやつを作ろうと思うちゅうがよー、子供用に。3月には完成予定やきその時また見に来てや。」

「んー、そっか…。うん!わかったー。お母さん!帰ったらカレンダーに書いちょこう!」

変わった子。
でもうれしい。

冷却期間を置いて忘れられてしまうのか、ますます包丁への情熱が盛り上がるのかわかりませんが、ほんのひとときでもこんな風に思ってくれる子がいるってことがわかりました。うれしい。はさみ屋を見つけてくれてありがとう。

そんな子と出会った2日後に全然別のところから研ぎ直しに持ち込まれた包丁。子供用。

うん。子供用だ。
このパンダやドングリの絵によってお料理に興味を持つ子たちはきっといる。それは素晴らしいこと。

でも、こういう方向じゃないとこを求めてる親御さんもいるはず。
包丁は切れなくてはいけない、切れる刃物使えば料理はおいしくなるし、切れる包丁の方が実は安全で切れない刃物使ってたらケガするよ、ってことまで伝えたい親御さん。
で、そこに向けてのはさみ屋の子供向けデザイン包丁プロジェクトなのだけれど、今回出会った少年のように、すでに包丁を使うのが大好きな子供たちにも選んでもらえたらまた違ったうれしさや充足感もあるよね。

もし、3月にもう一回来てくれて新デザインの包丁を気に入ってもらえたなら頑張ってお母さんを説得してみよう。

はさみ屋に連れて来てくれるようにお母さんを説得出来るかどうかの方が大変やろうけど。

しっかり準備して楽しみに待ちたいと思います。

次の日曜日こそゆっくりのんびりしっかり眠ることにします。

デザイン包丁第二弾プロジェクトがスタートしました。

事の発端はある女性からの提案でした。
昨年12月中頃に「いの町・かみのひなまつり」という町のイベントの企画会議に出席して終了後、一人の女性に声をかけられました。

「ひなまつりは女の子のお祝いなので、小学生くらいの女の子を持つ親御さんへ向けて『娘さんへの初めての包丁』ってコンセプトで売ってみたら?ちょっと小さめのちょっとかわいい包丁を作って。」

「わかりました!考えてみます!」

軽く返事するのは得意です。

頭の中にはデザイン包丁が浮かんでてそれをちっちゃくすればいけるじゃん、って考えてました。
デザイン包丁の柄のバリエーションを増やすこと、子供向け化、みたいなことは他にもあちこちから意見をいただいてたし。
デザイナーさんの許可をもらって木工職人さんに小さめの柄を作ってもらえれば完成や。

簡単に考えて何にも動かないうちにさらっと年明け。

ひなまつりは3月1日開催のイベントなのでそろそろ動かないかんにゃあと思って2人に連絡。
「お願いしたいことがあるので会えませんか?」
2人は高松の人なので「今晩どう?」って訳にはいきません。

2人から12日の午後なら空いてますってお返事をもらう。
12日の晩は所属するソフトボールリーグの新年会があるので18時くらいには高知に帰って来んといかんけどまぁ13時から話せば大丈夫やろ。で、決定。

そのあとに11日は大阪から仲良しが帰省して朝まで麻雀の予定があることを思い出す。
けれど決まったものは仕方ないので全て予定通りに遂行することにしました。

大三元をツモられたりしながら朝まで遊んでちょっと寝てから高松へ。

眠い顔を隠して約束のカフェで打ち合わせ。
子供向け包丁の企画を話すと快く承諾してくれました。
それだけでなく、こっちは既存のデザインで少し小さめでOKって思ってたのに「デザインもちょっとアレンジして新たなものにしましょう!」って話がどんどん盛り上がる。ノリノリ。

コンセプトは
「ひなまつり・子供向け・初めての包丁・それを本物の打刃物で」

いい流れ。

3人それぞれがアイデアを出しながら採用したり却下したり擦り合わせたりしてるうちにデザインも決まりネーミングまで完成。

3時間話しただけで何かやり遂げた自己満足感がものすごい。まだ何にも出来てないのに。楽しくやれれば自己満足で全然かまん気がする。失敗したらまた考えます。

いろいろ話してるうちにビシッとはまる着地点が見つかるもんやね。
やる気のある人達と話してるからこそ為せる業か。同んなじ方向向いちゅうし。

最初に提案してくれた方に感謝です。それからその方に「あの時提案してくれた包丁出来ましたよ。」って言うのが楽しみです。これが僕のモチベーション。

早く発表したいけどデビューは3月1日(土)のひなまつり、いの町商店街のイベントにて。
少しお待ちください。

そんな楽しいミーティングもワクワク感満載のうちに終了してカフェイン大量摂取で休憩しながら高知まで帰って来てなんとか夜の新年会にも出席しました。

そんな週末。
そして眠い眠い週明け。

次の日曜日こそゆっくりのんびりしっかり眠ることにします。

午後の4時から9時まで会が入っちゅうけどねー。

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