鍛冶屋日記

カテゴリー: 仕事

この前、うちの奥さんが書いてるブログを発見してびっくりしました。会社のやき仕事に差し支えのない事しか書けんき難しいって。そういえばこのブログもしばらくりかちゃんが書きよった。
とりあえずお知らせしときます。

アートコンサルタントさんです。
http://yaplog.jp/o-art/

昨日、県の「地域の元気応援団」の方が仕事場に来てくれました。
「使えるお金があったら何がしたい?」って聞かれました。

この前も書いたけど企画立案は苦手です。なので、んー、特にないなぁと思いながら、「展示会したい。あと刃物会館作ってください。」って答えました。

「刃物会館!えいねぇ。作ったらどう使う?」

んー、観光客に売ることしか考えてなかった。

「建物つくるだけじゃいかん。それをどう活かすか。後継者育成につなげるとか、技術の研鑽の場にするとか。そういうビジョンがあれば県も話を聞くし、お金も出せるかもしれん。」

その他にも、展示会するならどこ?大丸?イオン?とか、観光客に鍛冶の仕事を体験させれるかえ?とか、小学生に見学させれる?そんなことから後継者が生まれるかもしれんで、とかいろんな話をしてくれました。
勉強になりました。

日々、日常の仕事をしゆうだけじゃいかんって思えてきました。いいもん作りよったらなんとかなるろうとしか思ってなかった。たぶんなんとかはなるがやとは思う。けど、ちょっと今までと違うこと考えることも大事なことやなぁって思えました。

補助金引っ張ってなんかでっかい事やるかー。土佐の刃物業界のために。そして高知県のために。

よし、考えてみよう。

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昨日、鉄の切れっぱしが顔に飛んできました。顔から血が出るのは久しぶり。左目の2㎝下、ちょっと鼻よりにカットバン貼ったのでかなりわんぱくな風情になってました。

次の次の土、日(28日・1日)にいの町の商店街で『かみのまち・いの・ひなまつり』というイベントがあります。

いの町は土佐和紙の町です。それから大国さま(神社)があります。なので、かみのまちは紙のまちで神のまち。
当日は大国さまにたくさんのお雛様が飾られます。それから紙の博物館に無料で入れます。
で、大国さまから紙の博物館までの古い街並みの商店街にいの町のおいしいものや素敵なもののお店がでます。ところどころにお雛様も飾られます。
はさみ屋も刃物を売りに行きます。そのために今、ちょっとカッコいいナイフを作ってます。乞うご期待。

次の次やきね。
お待ちしております。

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シュミレーションはいつの間にシミュレーションになったがやろう。

裁ち鋏が研ぎにやってきました。

98年の高知豪雨で水に浸かって錆びてしまったそうです。

お客さんが「そのままおいちょったけど直るろうか?」って。
見たら、確かに表面は真っ茶色でしたが中まで腐ってはいないようだったので
「研いでみんとわからんけど、たぶん大丈夫。」
「じゃあやっちょいてー。」

で、復活。

10年ぶりに布が切れるようになりました。
めでたし、めでたし。

りんくんにちっちゃいちっちゃい八重歯が生えてきました。
将来有望。もうしばらくお待ちください。

先週の水曜日にうちの工場にラジオ(RKC)の取材がきました。午後の番組のワンコーナーで取り上げていただき、生放送で父がリポーターの方と15分くらい話しました。もちろん鋏のことや仕事のことを。

前日に出演依頼の電話があって、「いいですよ。」って言うと「では、日時はまた連絡します。」って。
そしたら翌日の朝、「今日の1時ごろ伺います。ちょっと打ち合わせして、放送は1時45分からになります。」って。ずいぶんいきなりです。
けんど前の日には明日行きますって言えんもんながやろうねぇ。
おかげであんまり宣伝できず。うちの母でさえ朝からお出かけ中で、連絡したけどつながらず。出演終わってから電話がかかって来ました。
「もう終わったで。」って言うしかありませんでした。

でも、その次の日、「ラジオ聞いたき来てみた。」ってお客さんが来てくれて、植木鋏をお買い上げ頂きました。
RKCさんのおかげです。ありがとうございました。

以上、ごきげんワイドな出来事でした。

『メタファー』という言葉の意味を調べてみました。『暗喩』でした。

昨日、包丁を一つ仕上げました。

土佐清水市に転勤している間に釣りを趣味にして、魚をさばけるようになって帰って来た元ボクサーの友達の注文です。4月ぐらいに頼まれてました。作りかけのがあったので、いつでもできる気分でなんとなくほっといたら何度目かの催促の電話がかかって来たので仕上げることにしました。また血がでるくらい気持ちを込めて砥石に向かいました。

出来たので写真に値段を添えてメールしたら「お金とるが?」って返信が。そういえば

「片刃の柳一丁作ってや。」
「おぅ、あげるわ。」
「いやいや、お金は払うき。」
「かまんちや。」
「いかん、払う。」
「えいのに。」

みたいな会話をしたような気がします。仕方がないので
「使ったら払わずにはおれんなるろうき、まぁいつでもかまんき取りに来てや。」って職人らしく返しときました。

楽しみです。
使ってもらうのが待ち遠しい。

今日はナイフを2丁仕上げました。地金に特殊な材料を使った切り出しナイフ。
特殊な材料とは不要になった刃物を溶かして固めて何度も折り返して叩いて作ったリサイクルな鉄材です。磨いて仕上げると素敵な模様が出てきます。

せっかく特別なので手研ぎで刃を付けることにしました。いつもの包丁の研ぎ直しで磨いた技を発揮しようという感じで気合い充分。

難しかった。切れるようにはできる。けど研ぐ面がスパッとスカッとなかなかいかない。粗いのから細かいのまで3種類の砥石を使って2本のナイフを仕上げるのに延々3時間、研ぎ続けました。
その間タバコ5本とコーヒー1杯。
砥石の面も2回直して。
中指と人差し指の腹も研いで血を滲ませながらなんとか完成です。

自分の手が決まった角度でずっと前後に動く機械ならいいのにと思いました。

このナイフは明日から始まる土佐刃物流通センターでの『刃物供養菜祭』というイベント(6日~14日)でお客様の入札によるオークションにかけられます。

さぁ、いくらつくろう。

今朝かかってきた間違い電話を切る時に「すみません」って言ってしまいました。

昨日お客さんがこんなの持って来られました。

ひばあさんが使っていた道具だそうです。使うことはないけどきれいにして置いときたいのでサビを落として磨いて欲しいとのこと。

昔のアイロンやって。
火鉢の炭で焼いて使うのだそうです。
うちの両親は子供の頃見たことあるって言ってました。

こんなのに出会うと楽しい。

鍛冶屋になって11年、先週初めてお客さんにキレてしまいました。

研ぎ直しの仕事に対して理不尽な文句を大きな声で言われ、「それでもプロか!」の一言に「プロだからこそ説明しちょったろう!」って反論しました。
本当に預かる時に「こうなるかもしれんけどそれでもかまんかえ」って説明しました。「どうせ切れんきやってみて。」って言ったのに。

そしたら「そんなこと聞いてない!メーカーに送って直す!その分請求する!」って。

聞いてないって言われたらもう話になりません。
「はいはい。請求しいや!!」です。

その後父に話したら「そんな人もおる。たまにゃあやらないかん。」って。

自分が絶対間違ってないと思えるから怒れる。でも、キレるのはしんどい。それに会社勤めとかの方達はどんな理不尽にも頭を下げんといかんがやろうなぁとも思う。

だから、そういう行き違いがない様に以後気をつけようと思いました。

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