鍛冶屋日記

カテゴリー: 仕事

凱旋門賞。なかなかのがっくり加減でした。あそこで2着ってエルコンドルパサーとかオルフェーブルはどれだけすごかったかってあらためて認識させられるね。それでもまた応援します。

先日、フリーペーパーの『K+(ケープラス)』さんにはさみ屋を掲載していただきました。

webでも読めます。
http://www.tosasearch.com/kplus/toku/

ありがたいことにここ数年の間に次から次へといろんなメディアに取り上げてもらってきました。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などなど。

その度いろんな反応があったのだけれど、『K+』はちょっとすごい。
配布初日から反響続々。四万十市や宿毛市まで鋏を発送したり、「前を通って気になっちょったけどあれ見て寄ってみました。」ってご来店いただいて買ってくれたり。こんなに花鋏が売れた3日間はないね。花鋏需要を掘り起こしてくれてます。
他にも「場所教えて。今度行くわ。」ってお電話も4、5件あって。

今までも「新聞見たよー。」とか「プロフェッショナル出ちょったねぇ。」とか言われたことはあるけれど(プロフェッショナルには出てません。NHKに出してもらっただけです。)、こんなに即効性のあるのは初めて。
包丁よりライバルが少ない鋏に特化した紹介が良かったのか、ズラッと並んだ鋏の写真が見る人の心を掴んだのかわかりませんが、なかなかの手応えです。

「やっぱりプロの書く文章はすごいですね。内容は笹岡さんに聞いたことあることばっかりやけどすごく素敵な文章になってましたもんね。」

これある人からの感想ながやけど本当にそう思います。普通に過ごして来た45年や鍛冶屋になっての20年が素敵でカッコいい親子物語に昇華してます。

K+さん、見つけてくれて本当にありがとうございます。

鋏については本当に昔から作り続けてきたものであって、新しい取り組みでもなんでもないのだけれど、やっぱり発信の仕方や紹介のされ方でこれだけの反応を得られるがやなぁ、と思いました。
つまり、何の仕事でも可能性はいっぱいあります。
だから、見つけてもらえるように、それはメディアに限らず、まだ気づいてもらってないお客さまにも見つけてもらえるように、しっかりやろうぜ、と思いました。

ね、やろうぜー。

9月30日(土)は仁淀川の波川公園にて『神楽と鮎と酒に酔う』開催です。まぼろしの七色餅売ります。秋の夜、気持ちいい河原へ飲みに来てください。

はい、告知完了!

先週末、若者たちと飲みました。ただの若者たちではなくて土佐の刃物業界の若者たち。
鍛冶職人7人と鍛冶屋志望者1人と刃物を扱う問屋さん2人。土佐打刃物の未来を作る職人たち。

楽しかったー。

伝統の現在』この文章を書いた時に反応をくれた方々と「集まって飲もうぜー。」って集まったのが6月の終わり。この時は4人の飲み会でした。

「もっかいやろうぜー。周りの熱いやつらにも声かけようぜー。」で実現。10人に膨れ上がる。

こんな機会、真面目に仕事の話を同業の若い子たちとする機会なんてほとんどなかったので、しゃべり過ぎ、伝え過ぎ、求め過ぎ、だったと思います。
「こーしてきた。こーしたらいい。これやろうやー。」

それでもみんなきちんと聞いてくれてありがたい限りです。僕の話によってではなくても、こうやってみんなで集まって焼きとり屋さんで飲んだことが一歩踏み出すきっかけになればいいなぁ、と思います。踏み出すまでいかなくても考えるきっかけにはなるよね。

この場所にいること。これが一番大事なことだと思います。
コトが始まる時(ただの飲み会やけど)に誘ってもらえる存在であること。それを断らないこと。なにが起こるかわからんけど行ってみる。たいせつ。

20代や30代の若い子たちが時代遅れの(本当は一周回って最先端ながやけどね)鍛冶屋という仕事でどう生きていくか。それを一緒に考えられる場が出来た。大切にしたい場所です。

そこに最年長の45歳として参加出来たことはとってもうれしいです。最近はどこに顔を出しても最年長になってきました。それはだいたいいつも「この歳でここにいられる喜び」です。

「あの人は頭がカタイき仲間に入れんとこうぜー。」って言われないようにしっかり走っていきたいと思います。

地元いの町では異業種の若い職人さんたちと一緒に動いてます。刃物業界の若い職人さんも一緒やなぁ、と思いました。町のクリーニング屋さんや散髪屋さんが集まって飲んで話していろんなきっかけとかヒントを捕まえてどんどん進む姿、伸びる姿。そんな場所があるかないか、そこにいるかいないか。それだけです。

鍛冶屋業界にもようやく出来たそんな場所、みんなでしっかり育てて行きたいと思います。

付き合いもしがらみもある業界のど真ん中で生きる若い職人さんたちと、業界から少し離れた所で自由に勝手にやってきたはさみ屋が一緒に飲んで一緒に動くことへの期待感。

一年経ったらきっとみんなの中で(もちろん自分も含めて)何かが変わっちゅうと思います。そのためにもう一回走らんとね。(隠しちょったけどちょっと止まりかけておりました。)

最年長、頑張ります!
うん、いい写真。

伝統工芸の危機的状況に思うこと。
あっちもこっちも。
ずっと思ってきたことだけれど、ここ1ヶ月くらいで次から次へといろんな側面から考えさせられることがあったのであらためて書くことにしました。

はさみ屋は今、研修生を受け入れています。4月に1人増えて2人の鍛冶屋志望者とともに働いてます。後継者育成。

伝統工芸としての産地を維持するために、また後継者を作っていくためにに何が必要か。単純なことです。稼げる仕事にする。これしかないと思います。

後継者育成のための補助金をもらってます。研修制度がある、そのための補助金がある。たしかに受け入れる側、飛び込む側にはありがたいこと。充分利用させてもらってます。でも、根本はそんなことじゃない。

それから売れなくなった伝統工芸品を今以上に売って行くために「技術の革新・研鑽」大事なこと。
けどね、技術はあるがよ。鍛冶屋さんも紙漉きさんも。持っている技術を目一杯発揮する機会をもらえてないだけです。何百年やってきたものの上に出来上がった伝統工芸。誰彼真似出来んし、3年や5年で全部身につく技じゃない。僕だって20年やってきたけど全然足りません。

そんな技術を身につけた職人さんがたくさんいて、なのに後が生まれて来ない。なぜか。稼げないから。もう少し丁寧に言うと技術と時間と労力の割に稼げてない。

つまり業界が一番に考えるべきことはその技術をどうやって高く売っていくか。
今の流通のシステムにおいてこれが出来てない。
問屋のみなさんお世話になっております。
それでもやっぱり見ていて思います。

この流通のシステムが産地を潰していきゆう気がします。産地を支えて来たシステムが今は潰してしまいそうになってます。
安い値段で朝から晩まで流れ作業のように作り続けた結果、後継者が生まれない今です。

40代の鍛冶屋さんが言いました。
「親父が付けた値段が安いがよー。」
その年齢なら親方と相談すべきです。
「その値段じゃやれん。もう少し上げよう。」
それでも聞き入れてもらえないなら親父さんに内緒で合う値段を付けて売ったらいいと僕は思います。その辺の采配はふるって良い年齢です。でも、出来てない。これは鍛冶屋個人の問題。でも、たぶんどこも似たり寄ったり。

買う側の問屋さんは言ってくれます。
「しっかり手間に合う値段付けてください。」
でも、値上げしたら安く作るライバルに注文を奪われた過去のトラウマ、自分は経験なくても聞こえてくる業界のよくある話。作り手が減って辞めた鍛冶屋さんの分の注文が残ってるところに集中して忙しくなっている売り手市場になっても(現状はそうらしい)、問屋さんの縛りから抜け出せない職人たち。抜け出そうやー。

刃だけ作って柄付けや箱入れは問屋さん任せの状態。素晴らしく切れる刃物が作れても柄が付いてなかったらお客さんに届けれんよね。問屋さん依存。卸の仕事を切る訳ではありません。並行してやればいい。柄を付けて箱に入れて、小さくてもかまんき販売ルートを自分で作らんと。
これ、「やりがい」が生まれるで。いいもん作ろうって絶対思うで。

お客さんに届ける形にまで出来て初めて品質の向上を目指したり、自社の自分のブランディングの必要性を感じたりするがやと思います。
まじで、農業の6次産業化、見習おうよ。
各伝統産業に従事する職人さん。
危機感ないかなぁ。現状に満足やろか。あきらめじゃないよね。
この部分が今のままで後継者生まれて来るかなぁ。
以上は職人さんへの提言。

これから業界団体とか問屋さんに考えて欲しいこと。
同じです。今の職人さんたちの技術をどうやって高く売っていくか。職人さんたちに技術はあるのです。

そのために職人にスポットライトを当てる。その人が作ったことをしっかり見せる。その分責任も持たせる。
職人に対して「もっと良いもの出来ん?。」「もっと丁寧に仕上げてや。」求めていい。厳しい目を持って厳しい要求をして。それに応える品は高く買い、高く売る。

安く仕入れる努力じゃなくて高く売るための努力。

手間をかけても手を抜いても同じ形なら同じ値段。あの人の品とこの人の品、同じ寸法なら技術関係なく同じ値段。良いもの生まれて来んよねぇ。
中身はどうあれ、大量に必要だった時代はそれでよかった。じゃないと間に合わんかったと思います。

時代は変わってますよー。

しっかり仕事をする、丁寧な仕事をする、そうすれば同世代の人たちに遜色ない収入を得られる。週休2日で、祝日も休んで、夏期休暇なんかもあったりして。なんなら職人の方が休みが多くなったりして。
それが実現出来たら後継者は自然に出来てくると思います。

つまりは単価アップです。

たくさんの仕事があってもたくさんの労働時間を費やさないとそこそこの収入が得られない、そんな状況はブラックです。自営業はだいたいブラックやけど。

業界がやるべきことは土佐の刃物全体のブランド化。ロゴ作ってステッカー貼り付けるより前のブランド化。単価を上げるための戦略。今治タオルとか見たらいいと思うけどなぁ。違う業界見たらお手本いっぱいあるでね。

職人は歳を取って引退したり廃業したりで終わり。やらんでよくなったから辞める。
でも作り手が減って消えていって困るのは問屋さんやと思うけどなぁ。動くべき時やと。

はさみ屋の場合は僕が入った20年くらい前から問屋さんからの注文がどんどん減って、仕方なく今のやり方に移行して来ました。今のやり方って言うのは上に書いたようなこと。
どうやって直販のルートを増やすか。(これだけで1つ売れた時の利益率は上がります。つまりは単価アップ。より手間もかけられるしね。)
どうやって自分をブランディングしていくか。直接売るには見つけてもらわんと、見つけてもらってその上で選んでもらわんといかんきね。

この10年ずっとそればっかりやり続けて来た結果、前途洋々。明るい方が未来です。そして今では後継者育成の事業に手を上げることが出来る状態を作れてます。2人受け入れ中。鍛冶屋さんを生み出せたらいいなぁ。

ちょっと古くさい考えにイライラしたり、どうして見えんがやろってがっかりしたりすることが続いたので思いっきり書いてみました。

これで何か変わる訳じゃないし、業界のシステムをぶっ壊せるとも思ってないけど、うちの研修生には業界のシステムの枠の外で生きて行く力も身につけて欲しいと思ってます。それはずっと伝え続けてます。
そういう職人を育てんと絶対終わる。

だから、どっか別の場所でもそういう職人さんとか問屋さんとか小売屋さんが生まれたらいいなぁ。

野茂さんの記録が26年振りとか言われると時の流れの早さを感じずにはいられません。

4月半ばくらいやったと思います。いの町観光協会さんからお電話をもらいました。

「5月27日にツアーバスが来て刃物の製造現場を見学したいという話があるんですけど、受け入れ可能ですか?」

幹事さんが鍛冶屋の仕事に興味があるらしい。
もちろんOKです。隠すものなど何もない。

5月の初めに大阪の旅行代理店さんからもお電話。
「だいたい20人くらいでお伺いします。滞在は20分くらいになります。作業工程の説明とかもしてもらえますか?」
全然OKです。

さらに昨日は受け入れ元の高知の旅館の担当者さんが来てくれて
「場所の確認に来ました。明日は午後2時半くらいになると思いますのでよろしくお願いします。」

こちらこそ。

親父さんと研修生にその時間の作業を割り振ります。
「あれとこれを見せちゃって」

そしてこの日に向けてしっかり作りました。
「観光バスで20人来たらどればぁ売れるがやろ。少なくても2、3人は買うよね。」捕らぬ狸。

いつもスカスカのショーケースもいっぱいにしちゃりました。産業観光の効果を検証です。
イベントに売りに出て「僕が作ってます」は最強の販促ツールであることは実感してます。
その先にある「工場に来て実際の機械や作業風景を見たら、もうそれは一番の保証書やろ」ってずっと思ってました。

それを検証するいいチャンス。
準備万端。待ち構えるのみ。

で、本日その日がやって来ました。

朝10時に担当者さんから電話。
「大阪で大渋滞にはまってるらしくって時間がなくなりそうなので今日の見学はキャンセルになりました。申し訳ありません。」
「了解しました。またよろしくお願いします!」

んー、残念。
ギリギリの行程で旅しゆうがやねぇ。

産業観光の効果検証出来ず。
研修生もお客さんに見られながらの作業は良い経験になると思ったがやけどね。

ま、仕方ない。そういうこともある。
今回「受け入れますよー。」って手を挙げたことで次のチャンスもいつか来るはず。

観光に携わるみなさま、はさみ屋はいつでも見学可能ですよー。
あ、もちろん個人で来られても全然大丈夫です。隠すものなど何もない、やきね。

今回のワクワクは実現しなかったけれど、大勢のお客様に備えて工場もお店も片付けてスッキリきれいになったし。

在庫はしっかり積めたし。
空は青いし。

いいことばっかり。
次のチャンスを待ち構えつつ、次の戦略に動きます。

菊花賞獲りました。3連単。100円が69380円。初めての万馬券。サトノダイヤモンド。天皇賞が来る前にカバン買います。天皇賞はルージュバック。

刃物まつりの結果報告。
よく売れました。売上としては昨年には届かずですが、売りたいものが昨年よりたくさん売れた感じ。

売れただけではなくて、昨年買ってくれた方が研ぎ直しに持って来てくれたり、「去年も研いでもらったがよねー。」って研ぎ直し持って来てくれたり。
(格安研ぎイベントやってる中での「はさみ屋さんの研ぎがえい」って言う研ぎ直しのリピーターさん獲得です。)

他にも京都の植木屋さん。
「島根の刃物まつりで土佐の刃物屋さんが笹岡さんの鋏を持って来てて、それ買ってとても良かったです。」って言ってくれて包丁買ってくれました。自社ブランドがある強みやね。

試験前の感じは吹き飛びました。
大丈夫です。

周りの刃物屋さん(高知では大きな問屋さん)の社長さん2人に言われました。
「独自の品があってえいにゃあ。うちらぁは数は売れゆうけど安い品しか出ん。」

「ありがとうございます。」っていいながら思うこと。
「やればいいのに。」

値段じゃないところでの勝負。それを目指してやって来ました。

800円とか1000円で万能包丁売ってちゃダメでしょ。それ作り手がいくらもらえるがよ。絶対どっかで手ぇ抜くよねぇ。

ステンレスもセラミックも爪切りも他産地商品も売らんといかんやり方。

土佐の刃物まつりで名だたる刃物屋さんが14件出て来て「全部うちで作ってます。」ってお店はうちともう2件くらい。
(それが無理でも「全部土佐の品です!」ってことは可能でしょ。)

砥石持って行って実演してるとこはなし。
試し切りしてもらえるお店もうちだけ。
のちのち研ぎ直ししますアピールしてるお店も他にない。

大丈夫。
良い品が欲しい人。
切れ味試してみたい人。
アフターサービスが不安な人。
作り手と話してみてから買いたい人。

こっちから見たらそんなお客さんばっかりやのに。

もう本当に「やればいいのに」

あ、大きな会社からすると1日2日のイベントでの売上なんて関係ないがかも。

それが明日に繋がるがやけどね。

もう一回言います。
めっちゃ売れました。
またしっかり作ります。

次はこれです。
11月23日(水・祝)
『Kami祭(フェスティバル)』
いの町商店街にて

よろしくお願いします!

今年もまた『刃物まつり』がやって来ました。今度の土日です。絶賛準備中。

昨年の刃物まつりはどうやったかなぁと思ってこのブログを遡ったら高校サッカー選手権観戦記が出て来て自分の文章読んでまた泣きました。あれからもう一年かー。

刃物まつりに戻します。
高知県内の刃物屋さんが14件出店します。
そこへ勝負しに行く気分です。

大きな問屋さんや刃物の組合のお店がずらっと並ぶ中、うちみたいな個人の鍛冶屋がどこまで通用するのか。もしかしたら勝てるかもとか思ったりして。うん、たぶんお客さんの求める姿はこっちやろ、とか思ったり。

値段じゃないところで選んでもらえる工夫と努力をあっちでもこっちでも続けて来ました。
それが正しいのか通用するのか、それでも全然ダメなのか、結果や成果を突きつけられる場所になってるような気がしてます、最近は。
売上的に過去最高だった昨年よりもしっかり品揃え出来ました。

しっかり準備して、まだやり足らん部分もあるけれど、期日が来たので試験に臨む受験生みたいな気分です。

選んでもらえるのか、もらえないのか。
昨年の成績はたまたまなのか。
明日もう一日準備して、頑張って来ます。

10月15日(土)16日(日)
午前10時~
香美市土佐山田町の鏡野公園にて
第35回『刃物まつり』開催です。

よろしくお願いします!

あ、1ヶ月以上振り。お久しぶりです。

書いてない間に5月に申請した補助金不採択の通知。3年連続突破の夢破れる。けれど今回考えた作戦はやるべきことなので必ずいつかやります。商品紹介ではなく職人紹介のパンフレット。必ずやります。

レクサス落ちて補助金落ちて、飛ぶ鳥は落ちない勢いのはさみ屋のここ1ヶ月。

そんな低空飛行を続けていた先週土曜日、地元のテレビ局RKCさんからお電話をいただく。

土佐市の『南風』に並んだ品ではさみ屋を見つけてくれた模様。売れる売れんだけじゃない効果があるね。出せるとこには出しちょくこと。

「夕方のニュースの中のあるコーナーで取り上げたいのですが取材に伺って構いませんか?」

「OKですよー。」

で、火曜日取材の木曜日放送。

昨日放送してくれて、友達から「見たよー。」ってメッセージをもらったり、お問い合わせのお電話をもらったり、今朝はテレビで知ってくれたお客様が鋏を3つと鉈を2つ研ぎ直しを頼みに来てくれたり。反響あり。

それから母のお知り合いからお電話が2件。
「お母さんの友達でうちもおたくの包丁使ってます。頑張ってますね!」

「昔お母さんにお世話になった〇〇です。テレビ見てたら鍛冶屋さんが出てきて、あー、笹岡さんとこのご主人と息子さんや!と思って懐かしくてお電話しました。」

そして、今朝、父の従姉妹の方からお電話。
「昨日見ました。悟くんも頑張っちゅうね。けんど英ちゃんはえらいぞね。本当に子供の頃から苦労しちゅうし、弟子時代もしんどい思いをしちゅう。それを知っちゅうき余計にうれしい。昔のことやき従兄弟は20人くらいおるけんど私は英ちゃんが一番えらいと思う。」

親父さんを褒めてもらえる。
うれしいことです。
やっぱり敵わんなーって再認識させられて素晴らしい。
あ、英ちゃん本日誕生日。74歳。すごいね。

テレビでも質問に答えたけど
「生きる上でのお手本です。」
全然お手本通りには生きれてないけど。

こうやって仕事においていろんなことに手を出してやれることはやって来て、衰退しつつある土佐刃物の世界でちょっと目立って新聞やTVの取材が来たりラジオに出させてもらったり。

その結果、父や母の親戚や友達に届いて懐かしく思い出してもらったり久しぶりの連絡のきっかけを作れたり、父や母の人生を褒めてもらえたり。

だいぶ回りくどいけど、ちょっと親孝行な感じ。

こういうお話聞けるとこっちもうれしくなるので、また取材したくなってもらえるように頑張って仕事します!

って書いてたら昨日のテレビを見て来られたお客さんが「友達の誕生日プレゼントに。」って『SANUKI no MEGUMI』を買いに来てくれました。

TV効果、反響続々。
また売り切れた。
作ります!

5月に出店したイベント『en』

これについて何にも書いてなかった。
本当に気持ちいいイベント。ビンビン感じる出店者の心意気、それを受け取って山奥までやって来るたくさんのお客さん。想像した通りの結果も出たし、たくさんの人に出会えたし、ひょうたんマジックさんが同い年ってこともわかったし。また出たい。それからいろんな人に来てほしい。感じてほしい。そんなイベントでした。

で、昨日あるお客様がご来店して
「あのー、『en』に出られてた方ですよね?」
「はい!そうです!」
「あの時悩んだんですけどやっぱり包丁買いに来ました。」

わざわざうちのお店まで来てくれました。
あれからひと月経って『en』での売上がまた伸びました。その場で売るだけが目的じゃない。目指す形です。

話は変わって
『LEXUS NEW TAKUMI PROJECT』

この時エントリーしたやつね。「出走権」

落選でした。窓口になってくれた方がきちんと落選通知を届けに来てくれました。

正直ホッとする。悔しさよりもホッとする。作るの間に合ってないし、今年はあのプロジェクトやこの事業にも手を出しちゅうのに、もし選ばれてまたこれに時間を費やすことになったら大変…って思いが強かったのでホッとする。

悔しさもあります。高知のNEW TAKUMIに誰が選ばれたのかを聞いて「あー、やっぱり先行っちゅうなぁー。」って思うし、そこまで行かんといかんし。

違う道を通ってもその高さまで登らんといかん。

今回はエントリーさせてもらったことが収穫。土佐の鍛冶屋の枠では見つけてもらえるところまで来ました。それを越えて高知全体で見て他の業界や職種を含めた職人の枠になるとまだ届きません。
そこでも通用するように頑張りたいと思います。

まずは落選してホッとしないように。選ばれてもしっかり挑戦出来る仕事の態勢、心と時間に余裕を持てるスタイルを作りたいです。
あれもこれもやってない時期なんてこれから先もないと思うので、あれもこれもやりながらまたそれもやれる態勢。つくらんとね。

落選通知を届けてくれた方が言ってくれました。
「笹岡さんに挑戦する姿勢を学ばせてもらいました。」

もうその言葉をもらえただけでうれしい。
こちらこそいろんなことを再確認させてもらいました。お世話になりました。

またどこかで会いましょう☆

明日・明後日グリーンパークほどのにて『en』に出店です。素敵なイベント。

とりあえず明日からのイベントの宣伝しときます。

それでは本題。
あ!っという間にG.W.終わって1週間。
毎日に追い立てられております。

3月末に昨年度分のふるさと納税の注文から解放され「よし、少し落ち着いて仕事しよう。」と思ったのに。

どんな風に追い立てられるか書くことにします。

お隣土佐市の新居に新たな観光交流施設が4月27日にオープンする、そこに商品並べてよし、ってことになってショーケースいっぱい分の品をどうにか仕上げて納品。
観光交流施設『南風(まぜ)』さんです。

それから約2週間。すでに1つ売れた連絡あり。さらに「土佐市のお店でショーケース見て来ました。」ってうちのお店まで来てくれたお客様がお二人。お二人ともお買い上げいただきました。

新しく動いたらすぐに結果が出ます。すごいと思います。
だから、「知ってもらうこと。知ってもらう機会を増やすこと。」大事です。

それを乗り越えたらG.W.は今回で3年目になる佐賀県遠征。日本磁器誕生から400年を迎えていつも以上に盛り上がる『有田陶器市』に職人ストリートのノボリ持参で植木屋さんとともに参加。

陶山神社、やっぱり雰囲気最高です。
今年もお世話になりました。

昨年父と母にペアで買って帰ったお茶碗が母のだけ割れてしまっていたので同じお店へ買いに行ったり(前回いくらで買ったかよく覚えてないけど「割れてしまったのでまた買いに来ました。」って言ったら10,800円の値札のついたお茶碗が3,000円で手に入りました。陶器市バンザイ)、産まれたばかりのりんたろうのお祝いを探したり。仕事もしながら陶器市も楽しむ。

今年は地域活性化の視点からビジネスホテルではなく民宿に泊まったらそこのオヤジさんから包丁の研ぎ直しを4丁預かって高知に帰って来る。
お客さんになったふりしてお客さんにしてしまう大作戦です。

G.W.終わって帰って来たら、5日間工場に来んかったらこんなに溜まるのかってくらいの研ぎ直しが。(うちの親父さん連休中も休まず店開けて仕事しよったらしい。)佐賀で預かった分も含めて、月曜日は研ぎ直し三昧。民宿分は送ったけれど陶山神社でお預かりした分はまだ出来てません。宮田さんお待たせしてます。来週には。

火曜日は外回りの日でアンテナショップを周ったら『てんこす』さんも

『くらうど』さんも

ショーケースがスカスカでした。ドットもストライプもすっかりなくなってます。上の『南風』さんの写真とお比べください。
売れ筋はもうだいぶ前に売れちょったはずやのに、無いなら無いなりにそこからなんとか買ってくれるがやね。観光客のみなさま、ありがとうございます。少し補充してきたけれど、また作らんと。

水曜日はずっと先送りにしてきた補助金の申請書を半日で仕上げる。パソコン仕事。金曜締め切り。商工会さん、いつもギリギリですみません。

木曜日はこれまた先送りにしてきた前回書いた『レクサス・タクミ・プロジェクト』のエントリーシートを半日かけて仕上げる。PDFをWordに変換して編集する術を身につけました。これも金曜締め切り。

もう1つ書くべき文書(ラジオ出演のためのアンケート)がありますがこれは先送り。20日締め切りです。

今日はまた明日までのお約束の研ぎ直しとホームページからご注文の鋏をいくつか仕上げて発送したり発送準備したりして雑務片付けたらこんな時間です。

んで、最初に告知したように明日と明後日は『en』に参戦。

昨年は声をかけてもらいながら「こんなおしゃれなイベントにうちの品は合わんがやないろうか」ってビビって出なかったイベント。
お客さんとして遊びに行って

「うわー、これは出んといかん!ここにうちの商品並べたい!ここに来る人たちに見てもらいたい!」

って思ったイベント。頑張って来ます。

長くなりました。
いろんなことがあったけどなかなか書く時間が取れなかったので書きたいこと書いてたら長くなりました。

それでは明日の準備します。
明日はグリーンパークほどのに泊まりのイベントなので麻雀牌持参で楽しんで来ます。
遊びに来てください!

日和りかける。危ない。

あるところからあるプロジェクトへの応募を打診されました。
モノづくりをする若い職人を応援支援するプロジェクト。
モノづくり・伝統工芸・職人みたいなキーワードで僕を見つけてくれたらしい。

「エントリーしませんか?」

すごいお話。
まだエントリーだけのお話やけど。

第一印象は
「すごくいいお話やけど、今は忙しいなぁ。ふるさと納税ともちょっと距離をとって足元固めんといかんと思いゆうし。やめちょこうかなぁ。5年前なら迷わずエントリーしたけど。今はなぁー。」

「もっとモヤモヤしゆう若いやつおるろうに。現状じゃいかんと思いつつ何したらいいかわからんみたいな若い職人に持って行っちゃったらもっといい物語が出来そうやのに。」

で、保留して一晩考える。

本当は保留して数時間でちょっとざわざわしてくる。
なんで見送ろうとしゆうがやろ。
今までいろんなこと頑張ってきた結果、あちこちで目立ってきた結果、僕のことを見つけてくれて声をかけてくれたがやのに。

今までのレース結果を見た上で「ダービーの出走権ありますけど出ませんか?」って言ってくれたのに「ちょっと疲労が」とか「こっちが楽に賞金稼げるし」みたいな理由で回避しよった。危ない。

本当に欲しいものはエキサイトする心臓やのに。手当たり次第ボタンがあれば連打しよったのに。疲れちゅうのか。老けたのか。本当に危なかった。

もっともっと前向いて走らんと。突っ走っていい。

だからエントリーします。

こうやったら鍛冶屋もここまで行けるって示さんとね。後の人のためにも。野茂さんみたいに。

それから「若手の職人」なんてカテゴリーで見てくれるのももうそんなに長くない。44歳です。

忙しいし、日々の仕事で毎日筋肉痛やけど、行けるとこまで行ってみます。
あ、選考に通った訳じゃないので何も変わらない日々になるかもしれんけど。

とりあえず、自分では道を塞がない。そこまで行ける道を教えてくれたのでそこまでは行ってみる。

乞うご期待。

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