鍛冶屋日記

カテゴリー: 仕事

今日の高知の空は青かったです。
青いくせに真っ白な半月が浮かんでました。そんな午後5時。
あ、今日は妹の誕生日や。この場を借りて、『おめでとう』です。

いつもお世話になってる美容師さんが今月20日にお店を辞めることをボンニー(美容室)のブログで知らされました。どーしよう。割引券が2000円もあるのに…。こまる、こまる。

明日から2日間『刃物まつり』です。なんとか準備も整いつつあります。もうひとふんばり。
車に載らんがやないかえ、って言うばぁ商品持って行きますので、はさみ屋Tシャツめがけて遊びに来てください。

よろしくお願いします。

土曜も日曜もよいお天気になりますように…。

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ちょーたぼー。

今日は集金、納品日なのに工場の仕事がたまってて出発できず。昨日まで高松にいたのでそのつけの分砥いだり仕上げたり納品書書いたり領収書書いたり。
結局出発したのが午後2時40分。銀行の人は3時までしか相手してくれんのに…。
おかげで取引先を大津から南国、山田、野市まで回ったのにお金になってません。紙切ればっかり…。

土曜日は仕事中に2回くらいケガしそうになって「慌てんな、慌てんな。」って心で呟いたのに、最後の作業で不注意から腕を大火傷しました。熱かったです。火傷だらけの腕でうどん食って来ました。

『急がば回れ。』

それから『いつでも微笑みを。』

あれもやらんといかん、これも今日までや、って忙しさにいっぱいいっぱいでささくれてる時間が増えてます。
まわりのみなさん、器がちっちゃくてごめんなさい。

不機嫌は良くない。

余裕とかのんびりとか得意技やったのになぁ。

笑顔、笑顔。

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昨日はりんくんが食べ過ぎて泣く夢を見て自分の笑い声で目が覚めました。サンキュー、りん。

そんな風に5時に目覚めてから出張に出ました。

昨日から問屋さんに連れられて高松市内のホームセンターの開店35周年のイベントで包丁砥ぎしてます。

このイベントがものすごい人出でどんどん車が入って来ます。前の道路も大渋滞。
中四国で一番売ってるお店だそうです。高知ナンバーワンのお店の3倍の売上高らしい。

ホームセンターってこんなに人来るもんかえ。

あ、昨日イベントのひとつでソフトバンクのお父さんが来てました。写真撮影会。朝から一緒に写真撮るために大行列。

普通にじっとしてない白い犬でした。しゃべらんし。これ本物。

でも偽物でも僕には判別出来ないと思いました。

待たずに一緒に写真撮ってくれる白い犬の方がいい。

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顔に火花が飛んで来て火傷しました。鼻の左側。もうちょっと外側のほっぺやったらかっこよかったのに…。頬にキズ持つ男です。

今朝の高知新聞に土佐打刃物の話題が2つ載ってます。22面。ご覧下さい。

ひとつは「土佐の刃物は龍馬が持ってた刀の作り方を継承しています。」ってPRする龍馬の写真入りポスターの話題。

もうひとつは「龍馬の刀を作った鍛冶師の流れを汲む鍛冶師が作った包丁出来ました。」龍馬包丁。

龍馬、龍馬、龍馬…。

土佐の刃物業界が龍馬ブームに乗りました。

こじつけとか遅いとか、どーでもいいです。

乗ったことが、動いたことが、素晴らしい、と僕は思う。

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目指すは週休二日です。

ちょっと忙しくしています。

砥石を失ってストップしてたまってた分の包丁を仕上げたり(新しい砥石手に入れました)、親父が入院したり退院したり、そんなことは知らない問屋さんからバラバラ注文いただいたり、ドカッと注文もらったり、それを一人でこなさなければならなかったり。
大雨のため売り出しに行くのを断念した日曜日に二度寝で昼まで寝て午後は工場で働いたり。本来休みの日に働くとはかどることに気がついたり。

さらに新しい取引先ができたり。「こんなのお願いできませんか?急いでるんですけど。」このタイミングで来るかー、って思ったけれど良い人そうだったので受けてしまいました。

さらに刃物まつりも近づいてます。
10月16日、17日、土佐山田の鏡野公園です。準備出来るろうか…。

そんな訳でちょっと忙しくしています。

目指すは週休二日です。

まずは隔週から。

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前回の記事のコメント欄にうちの品への苦情をいただきました。

このことに触れようかどうしようか迷いましたが放ったまま「月がまるい!」とかってアホなことばっかり書いてられんにゃあ、と思ったので書くことにします。

「欠けるし、曲がるし、使いものにならなかった。」

本当に申し訳ないことです。

しばしへこみ、途方に暮れました。

「へこんぢょったらいかん。原因究明やろ!」
って怒られました。

もう出来ることは「返品交換させていただきます。」って連絡することと、次にこういうことが起きないようにすること。

コメントいただいたお客様とも連絡とれました。謝ることしかできませんでしたが謝ることが出来て良かったです。ご連絡いただき本当にありがとうございます。

「プロたるものは医者、弁護士、マネジャーのいずれであろうと、顧客に対して必ず良い結果をもたらすと約束することはできない。最善を尽くすことしかできない。しかし、知りながら害をなすことはしないとの約束はしなければならない。」

W杯期間中にスポーツ雑誌で見つけた文章です。約束します。

それともう一つ。

クレームをつけやすい作り手にならなければ、と思いました。

「ネットで探して良さそうと思って買ったけどこんなもん?使えんじゃん…。」とか
「あの兄ちゃん手打ちって言うたけどこんなにすぐ切れんなるもんかよ。あー、損した。」
って思われてしまった時に文句言ってもらいやすいように仕向けんといかん。
機械で作った商品のように均一に出来上がらない限り起こり得る事態です。実際今回起きてるわけで。もちろん高いレベルでの均一を目指して仕事してますし、確認、検品することも大切です。が、中身が見えないので不安は常にあります。

クレームからは逃げません。逃げよったら技術の向上もその先の商売もないと思います。対応させて欲しいと思ってます。
そうしてもらいやすい環境をつくること。そう思ってることをお客様に伝えていくこと。

これは喫緊の課題。

以上、言い訳がましくもありますが、今後ともよろしくお願い致します。

はさみ屋
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夏バテはしてません。
もちろん秋バテも。

先週、突然、高知県産業振興センターの方が工場にやって来ました。

ある県内の刃物屋さんと共同で「包丁にチタンをコーティングする技術」を開発中だそうでそれを鋏に応用出来ないか、という話。

チタンを吹き付けることで刃の耐摩耗性がアップする。つまり刃が硬くなって切れ味が長く保つ、らしい。

面白そうじゃんか、と思いながら話を聞きました。

「砥いだらどうなります?」

「砥いだら剥がれます。」

一回砥いだら終わりです。ダメ。使えない。

打ち刃物はきちんと作ればそう簡単には使えんようにはならん。もちろん砥ぎ直しは必要です。
チタン使って一つ500円とか1000円高い品にするよりその500円で一回砥ぎ直しに出してくれればいい、と僕は思う。一回砥ぎ直しさせていただければ新品の切れ味です。

結局、「砥ぎ直しながら使ってもらう」っていう土佐の刃物の大事なところを無視した新技術、新商品や。
(チタンコーティングは別に新技術でもないか。よその刃物産地ではきっとやり尽くされた技術でしょう。そんな包丁見たことあるね。)

少し性質の劣る材料を使ったものや叩いて作るという部分を省略した刃物には有効に違いない。例えば安いステンレスの包丁とか。つまり所詮使い捨ての発想だなぁ、と思いました。

(ステンレスの名誉のために言っときますけどステンレスでもきちんと切れる、長持ちする刃物はたくさんあります。どんどん良い材料も開発されてます。しっかり作ってるものも確かにあります。でもそういう品はやっぱり高い。それに比べたら土佐打刃物のコストパフォーマンスはなかなかのもんだと思います。錆びるけどね…。)

そんなこんなでチタンコーティングされた鋏は出来上がりそうにないのですが、県の産業振興センターさんなるものが土佐打刃物のことを気に掛けてくれてることは喜ばしい。

もう少し現場の話を聞いてくれる機会とかあればいいのになぁ、と思いました。

何かの折にはまたよろしくお願いします。

今、ふと思ったがやけど、砥ぎ直しする度にチタンコーティングできたらどうやろね。砥ぎ賃据え置きで。ここ重要。

んー、刃先までコーティングしたら切れ味が心配になるきやっぱダメか…。

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「形あるものはしだいに姿を消すけれど…」

砥石割れる。

あーあ。
さとる包丁も砥ぎ直しの包丁も全部最後の仕上げを担ってきた砥石です。最後の最後の切れ味を作り出してたのはこいつでした。

鍬(くわ)の柄が倒れてたまたま直撃。

包丁を真剣に砥ぎ初めてからしばらくした頃に、仲間の包丁屋さんに
「だいぶ上手になったやん。そればあ砥げるようになっちゅうやったらこれ使うてみーや。」
って紹介されて出会ってからもう5年くらいは使ってきたと思います。まだまだ使えるはずでした。

オーパッキャマラード、パッキャマラード、パオパオパパパ、です。

これは、割れる2時間前に仕上げた特注のうなぎ包丁。最後の仕事。

初めてのものを作っています。
かといって新製品ではありません。今までは親父さんの仕事だったものです。
えらそうに職人ぶってますけどまだまだ親父さんじゃないと作れないものいっぱいあります。本当にうちの親父はなんでもちゃっちゃと作るので…。器用。

そういうのをひとつずつ奪っていこうと思います。

あれもこれもと考えると時間が足りない気がするけれど、ひとつずつ。

おそまきながら、そういう時期に入ります。
「もう30なのだけれどー」って歌いよったらもう40になりよります。

なんでも作れる鍛冶屋になれるか、なんでも直せるだけのはさみ屋で終わるか、そんな分岐点になる1、2ヶ月になりそうです。っていうか分岐点にせんといかん、しなければならない、have to 。

やれると思うちゅうけどね。

はい、得意の根拠のない自信です。
けどこれを頼りに生きてきたので、今回もこれで乗り切ろうと思います。

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はさみ屋Tシャツつくりました。
販促、販促。

イベント、売り出しに着て行くためにつくりました。
なかなか良い出来。
5枚作って子供たちに1枚ずつ配ったら普段使いしてくれてます。りんくんは先生に誉められたらしい。

本来の目的としては本日帯屋町で御披露目。おかみさん市です。大丸東館北側のアーケードにいます。

今さっき「飛行機に乗るんですけど…。」ってお客さんに「手荷物でお預けになれば大丈夫ですよ。」って言ったら包丁がひとつ売れました。

さいさきよし、です。

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